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手数料ゼロ、自己資金ゼロOKな住宅売買の「ゼロ系サービス」のしくみとメリデメ

※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。

ロジカル不動産

進化のない不動産業界とは言われますが、それでも大きく変わっている部分はいくつもあります。

サービスの多様化もその一つで、新築→中古に取引の中心がシフトしたことによって、中古仲介関連のサービスはいくつも生まれてきます。

いろいろ紹介したいものはありますが、今日は「ゼロ系サービス」(必ずしもサービスではないものありますが)に絞って紹介しつつ、それのメリットデメリットも合わせてご紹介できればと思います。

諸費用ゼロ購入

これは昔からありますが、よく「物件購入には頭金10~20%入れるのが普通」と思っている人もいますが、そんなことはない。また、諸費用と頭金を混合してとらえている人も多いです。

今は住宅ローン借り入れの中に、購入諸費用も合わせて借り入れることが可能です。通常物件価格の7-8%が諸費用としてかかってきますが、それが必ずしも現金として持っていなくても、住宅ローンの借り入れの中に組み込むことによって、キャッシュの手出しを無しで家を購入することは可能です。

今は超低金利状態、かつ住宅ローン金利とは超絶安いので、借り入れられるのであれば借りてしまったほうが得だと私は思います。その分現金は運用になどに回したほうが利益が出るでしょう。

とはいえ、一方でデメリットはあり、諸費用借入の場合は金利条件が悪くなる(金利が高くなる)ことが多く、そのあたりは適正値をしっかり見定めるようにしましょう。

手付金ゼロ購入

諸費用とことなり、「費用」ではないのですが、どうしても物件購入時に「手付金」というものは必要になります。これは物件価格の5ー10%が一般的で、これは契約時に売主に対して支払い、決済時に戻ってくる(正確には、物件価格の残代金を精算する)ものになります。一時的なキャッシュアウトになりますね。

人によっては現金ではなく株・外貨など、日本円以外の形で資産を保有している場合、これを日本円化しないといけない。またはそもそも持っていないから家を買えないというケースが発生します。かくいう私も、初めて家を買ったときは、当時の勤務先のリクルートの自社株を売って現金作ったりしました。その株をまだ持っていれば、、、という後悔もあります笑

そんな場合、手付金を0で家の購入ができるサービスも現れました。そもそも手付金とは、契約が解除したい場合、買主は払った手付金を放棄することで、売主は手付金の倍額を支払うことで、契約を解除できる、というためのものなのですが、そのリスクを保証し、その保証手数料を買主は支払うという形式です。

もちろんデメリットはその保証料がかかってしまうこと。また売主によってはちょっと新しすぎて不安だったりもして、「なら他のひとにします」と買い逃しのリスクが一定発生することです。ですが、現金化の手間や、契約から決済まで数か月現金を寝かせてしまう機会損失を回避できるという点も踏まえ、利用を判断するのがいいでしょう。

購入手数料ゼロ

通常最大3%+6万円(税抜き)がかかる仲介手数料ですが、これが0になるよというサービスもきっと家探しをしている人は見かけることでしょう。

仕組みとしては、売主から手数料をもらえる「業者売主物件=(不動産会社が売主の物件)」の購入を決める場合、売主から最大これまた3%の手数料を仲介会社は受け取れるため、買いのほうは0円でいいよ、という形です。新築戸建てや、リノベーション済み物件がこれに当たりますね。

仲介手数料は購入・売却における常に大きな諸費用ですので、それが0なのは大きなメリットですよね。デメリットとしては、上記のような業者売主物件しか紹介されない。またその結果として仲介としてのあるべきサービス(例えばその一つとして、この物件はやめたほうがいい、ということ)が正しく提供されないことがあること。

購入における仲介とはそもそもコンサルテーションであり、マーケットに様々ある物件の中からその人にとって最適な(また何が最適かを考えることから)ものをレコメンドすべき存在ですが、それがマーケットの約15%(中古マンションの場合)の業者売主物件のみを紹介できるという形式には、とにかくそれらを紹介したろ、という気持ちが出てきてしまう相手と家探しをしているいう意識を持つべきでしょう。もちろん、自分でしっかり判断できるから問題なし!という人にはありだと私は思っています。

売却手数料ゼロ

今度は逆側のこちらです。

前段を理解したらたやすいかと思いますが、買い手受け取る手数料を持って成り立つというケースです。

ちなみに当社が結構この領域1番手ではと思っていますが、こちらのサービスを提供しています。

https://zerofee.jp/lp1/index.html

細かく形式が違う可能性があるため、当サービスのデメリットは「ポータルサイトにはもちろん載るが、レインズには掲載しない」こと。レインズとは業者間流通システムのことで、他の不動産会社さんに、これ紹介して~という形で情報を出すものです。すなわち、レインズに載せることによって、他社経由の紹介客が来てもらえることはもちろんいいのですが、それによって売り側は買い手から手数料はいただけないので、レインズ掲載してしまうと売上が0になってしまう取引が発生してしまうため、そうではなく、レインズには掲載せずに売却を行います。現在は家探ししている人はほぼSUUMOをはじめとするポータルサイトを見て家探しをしているため、問題なく家探し層へはリーチができます。一方、情報の広がり、という点ではやはりレインズを掲載したほうが良いため、早く売りたい!という場合などは、レインズ掲載して販売していったほうがいいでしょう。

これは持論ではなりますが、「購入はコンサルティング・売却はオペレーション」だと私は思っておりまして、購入は百人十色の都合があり、要望は異なり、使いローンも異なり、夫婦の要望も異なるため、高いコンサルテーション能力が仲介エージェントには問われます。一方売却は、高くor早く売りたい。というニーズのみで、やることはどの物件の売却でも基本的には大きく変わりません。

そのため、売却活動を極限まで効率化しながら、その分をコスト還元するほうが売主利益になると考え、当社では当サービスを運営していたりします。

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ということで、4つのゼロ系サービス紹介してきましたが、他にももしかしたら私も知らないサービスがあるかも?

何か気になるのがあったらぜひ教えてください。

それではまた。

※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。

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