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住宅ローンは固定か変動か?住宅ローンの仕組みから学ぶ失敗しない選び方

※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。

ロジカル不動産

今日はこの話。

変動か固定か 金利上昇で住宅ローン「論争」

家を買った人はわかりますが、物件探しが大変ゆえ、ローンをしっかり考える時間はあまりないです。なんならローン契約のその場で変動か固定が、もしくは期間固定か考える、、という人も多いと思います。私も初めて家を買ったときはそうでした。そして私は10年固定という今となってはあまりメリットのない組み方をしてしまった、、という苦い過去があります。そもそも3年で売っちゃったし。

ということで本日は住宅ローンは固定か変動どっちがいいか?という話をしていきます。

前提

基本、35年で住宅ローンを組む人が多く(ちなみに79歳までに完済条件なので、44歳と超えると35年ローンは組めなくなります)、固定金利とはその借りている期間の金利がずっと一定だよ、というものです。

一方変動金利は、その名の通り6か月ごとに変動します。ちなみに、支払い金額は5年後ごとにしか変わらず、増える場合は今までの月々支払額の125%までしか上昇しないという決まりがあります。

そして固定金利のほうが変動金利より金利が高く設定されています。

想像の通り、今後金利が上がるのならば固定金利がよく、下がるのなら変動金利のほうがよいという選択になりますね。

加えて、最初の10年だけ固定、みたいな期間固定というものあります。これは非常にどっちつかずで、あまり使うメリットはないのでおすすめはしません。詳細は後ほど。

住宅ローン金利はどう決まるのか?

実は固定金利と変動金利で金利の決まり方に違いがあります。銀行が見ている指標が違うということですね。

固定金利:「新発10年国債利回り」

変動金利:「短期プライムレート 」

「新発10年国債利回り」とは、いわゆる国の借金の利回りですね。これは国策のみならず、国際的な金融市場の影響も大きくうけます。直近の上昇は、アメリカの利上げ影響によるもので、今後も上昇局面が続くでしょう。

一方、短期プライムレートとは、銀行が企業に貸し出す1年以内のローンの金利の最優遇のものを指します。これがどのようにして決定するかというと、日銀が銀行に貸し出す政策金利に影響を受けます。つまり国内の都合を中心にコントールされるのがこの短期プライムレートということになりますね。

どっちがいいのか?

さて、どちらがいいのかというのが気になるポイントですが、物事に絶対はないという前置きをしながらですが、変動一択だと私は思います。

ちなみに、変動金利が上がったら固定金利に切り替えればいいじゃん、という話もありますが、固定金利のほうが変動金利よりも先行して変化していくので、それは難しい話なんですよね。

それを考えるにあたり、メリットデメリットを整理しましょう。

変動金利

メリット:固定金利に比べて金利が低い

デメリット:金利が上がると支払額が増えるリスクもある(逆に、下がる可能性もある)

固定金利

メリット:金利の変動がない・借入金額を伸ばせる(後述)

デメリット:変動金利に比べて金利が高い・(最近減りましたが)繰り上げ返済に違約金が発生したりする(後述)


ここで固定金利について2点補足をすると、

・借入金額を伸ばせる

ローンの借り入れ総額とは、①年収 ②返済比率 ③審査金利 の3つで決まります。(金利はまた別のロジックで決まります)

まず①は「昨年度」のあなたの年収をベースに35年分計算します(35年給料が変わらないわけないだろと思いつつ、、)。

②は、年収の何パーセントを返済に充てるかの上限で、30~35%程度のことが多いです。

そして③が、支払えなくなると困るので、高い金利になってもちゃんとこの返済金利に収まるかということで、今の変動金利が0.6%だったとしても、3~4%で計算します。

この②と③の基準が銀行によって微妙に異なるので、銀行によって借りれたり借りれなかったり、ということが起きます。

さて、この③ですが、変動するリスクがあるので3~4%で計算、、とのことですが、全期間固定のローンだったら、変わりませんよね。今だと1.1%くらいです。そのため、借りられる金額を伸ばすことができます。

通常、変動金利の場合は年収の7~8倍くらいが借入金額の最大なりますが、固定金利の場合は10倍くらいまで借入を伸ばすことができます。借りていいかはおいておいて。

もう一つ、繰り上げ返済に違約金が、という点は、今だに投資用ローンにはあったりしますので注意です。(ざっくり説明すると)銀行としては35年間のある意味そのローンの収益を確定されることによってリスクを減らしています。それを崩されてしまうと銀行は困るので違約金を設定しているということですね。住宅ローンではあまりないのですが、全銀行のことを私が把握しているわけではないので、一応注意しましょう。

変動金利、どれくらい変わる?

ということで、変動金利のがやはり金利が低いというメリットがあります。一方上がるリスクもあるのですが、短期プライムレートが今の日本で上がるでしょうか。。

過去の推移がこちらですが、

https://finance.recruit.co.jp/article/k083/ より

いや、変動といいつつ最近全然変わってないじゃんっ!!ってグラフですよね。

これがいわゆる店頭金利というこもので、実際の貸し出しには優遇が効いてさらに安いというのが実態です。

日本がまたバブル期並みの高度経済成長期があるのか、、と思うとそんなこともなさそうです。現在の日本の景気的にも、金利を上げることのメリットがあまりないでしょう。

加えて、35年間家を保持する予定という人も今は少ないかと思います。長期固定金利は、将来の不確実性に対するリスク費も含まれているため、短期で売買した場合は損します。

固定金利を組み込むケースとして、あるとしたら、借入金額を伸ばすために、全額ではなく、50%を固定に、50%を変動に、という形にすることもでき、そういった使い方になるでしょう。

ということで、迷ったら変動にしておいて損はないと思います。

また、借りれる金額と、借りるべき金額は人によって異なります。ぜひ最適なライフプランをしっかり持ったうえで、いい住宅購入につなげてください。

それではまた。

※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。

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