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噴火から2、3週間後

水も止まる事なく、電気も落ちる事なく
だいぶ落ち着いてきたトンガ

1/31(月)から予定通り学校も始まるというアナウンスが28日(金)に流れた

アナウンスと言っても人伝えにいつも聞く

基本的には全てアナウンスはラジオで流れ、それを聞いたトンガ人(家族や友人)が私に伝えてくれる

1/31からは日本の4月のような新学期が始まる

娘は小学校1年生
息子は幼稚園年少

そのため、土曜日にはたくさんの人が街に出て、新しい制服や新しい靴、新しい文具を買った

急に決まったのでみんな大慌て
道路が車で埋まり動かないし、お店の中は人でごった返していた

売っているお店が少ないからというのもある

私は娘用に黒いサンダルを買う必要があり
汗だくになりながら見つけ出した

息子用には新しい水筒と制服をゲットしなければならなかったが、入園日までにまだ日があったので、あまりの人の多さに断念した

なかなかハードな買い物だった


そして1/31、娘無事に登園
初めは教室に入れずパパにべったり引っ付いていたが、副担任が「ブランコしようよ」と連れて行ってくれて、その間に私たちは学校を出た

後ろを振り返らず、早足で帰ったが
あとでこっそり隙間から覗いたら
ブランコを終え、自分から教室へ入って行く姿が見えた

教室に入るタイミングが無かったんだね
自分から戻れて一安心


スクールは、NZが運営しているインターナショナルスクール【Acts Community school】

費用が高いだけあって、先生達は全員若くて優秀だと聞く

参考:1年生は1700パアンガ(85,000円)/1年間


学校内では英語で会話をし、国籍も様々だった

娘が入った1年生クラスは全部で21人
担任と副担任が付いている
しかもしっかりと自閉症児のことを理解していて、訓練も受けていた

教室になかなか入れなかったときに
娘の自閉症の事を先生と話していたら
「大丈夫よ、その為に私たちがいるのだから」
と言ってくれて、早速頼もしかった


次の日のスクール2日目、授業開始40分前に学校に到着
手を繋いで教室の前まで一緒に行ったら、娘から手を離して
「See you! ママまたねー!」
と手を振って、一人でスタスタと遊具の方へ走って行ってしまった!

あれ??もう慣れたの??すごいね
しかも今英語話したね
ママびっくりだよ

しばらく見ていたら遊具に同じクラスの子がいたようで、一緒に遊び始めてた
よかった!もうお友達できたんだね〜
子供の吸収力って素晴らしい
早めに学校に着いてよかった!

このスクールは高校まで繋がっているので
これからが安心過ぎる!



さて携帯の通信はまだ復旧していなかった
もうすぐ3週間が経とうとしているが
こんなに長く携帯から離れたのは何年振りだろうか

たまにはそんな日々があってもいいな
とポジティブに考えていた

携帯会社の本部に行くと、無料のWi-Fiが10分使えるという情報を仕入れ行ってみた
本部の前にはたくさんの人が待っていて、行くとどう並んでるのか分からない感じだった

どうやら、トンガ人は並ばないらしい
自分が来た時に誰がいて、自分の後に誰が来たか見ている
もちろんズルして後から来たのに先に入っちゃう人もいたけど、みんなただ笑ってるだけだった

本部の中に入れるのは最大10名
中に入ると係の人がWi-Fiのパスワードを入力してくれる
そして10分経つと、係の人がパスワードを削除しにくる

私はこの日子供2人を連れて来てしまったので、待ち時間はなかなか大変だった
結局1時間近く待って、やっと中に入れた
そしてたった10分の間に、先に作っておいたメールやLINEなどを送って、ブログもアップした

これでみんなに安否連絡が出来たので、少しホッとした


国内でも連絡が取れない為、人伝えに電話番号を教え合った
今までどれだけネットを頼りにしていたか身に染みた



まだ毎日大掃除をしていた
一度大きな雨が一日中降り、その雨で屋根の灰や、木の葉についた灰が落ちた

その灰が乾き、コンクリートの上で固まった
固まっているくせに、風が吹くと上の方の灰は舞う
早く灰を無くさないといけないと思った

シャベルで灰を削り取り
高圧洗浄機で洗い流した

家の壁やコンクリートの床、柵や門、
家の周り全てを旦那が仕事から帰ってきてから毎日夜の8時頃まで掃除した

あともう少しでこびりついた灰は無くなる
それで少しは落ち着くのだろうか
灰はいつまで舞い続けるのか
エンドレスすぎる

こんなときに車のエアコンが壊れた
毎日30度前後の気温なので、
エアコンが付かないなら窓を開けるしか無い
だが道路は灰が舞ってる…

つ、つらい…


災難は続くものだな、、





しかし良いこともあった

2/1午前中に同じ敷地内に家を建てた、旦那の弟の嫁が元気な女の子を出産した

こんな灰だらけの中で新生児が生活するには辛すぎるが、彼女の産まれてきた時代だ
トンガ人の子だから、間違いなく強い子に育つだろう
めでたーい!!

胎盤をビニール袋に入れて弟が持ち帰ってきた

そして庭の隅を深く掘り、その穴にビニール袋ごといれ、上から熱湯をかけて、土で蓋をした

何のためのお湯なのか、誰も知らなかったがこうゆう風習だという

知らない文化が出てくる出てくる


そして赤ちゃんは3000gで産まれたが、
小さ過ぎるということで入院期間が延びた

日本で3000gは立派な大きい赤ちゃんだが、トンガでは3500gから5000gくらいで産まれてくるのが良しとされている

入院と言っても、普通分娩で1日入院が通常で、帝王切開でも3日間しか入院しない
ご飯は出ないので誰かが届けるか、クラッカーやインスタントラーメンのような即席料理を食べるしかない

なので入院グッツがめちゃくちゃ多い
ケトルやお皿、食べ物も全部持ち込むからだ
病院にあるものはベッドだけだ

その分出産費用はかからない
日本は国が負担してくれても、絶対その負担費用より上回る
私は確か10万円くらい払った記憶だ





2/2(水)夜の9時にトンガが騒ついた

どうやら港から2名のコロナ陽性者が出て
翌3日18時から48時間のフルロックダウンになると政府から発表があったらしい

夜の10時に在トンガ日本大使館から電話があり、明日水や食べ物を買っておくよう指示された

スクールもお休みになると連絡が来た

今回の陽性者は港でコンテナなどを扱ってる人たちで、海外から届いた荷物に付着したコロナ菌で感染したという発表だった

陽性が確認されるまで普通に生活していた為、もしかしたらもう市中に出回ってるかもしれない


そんなことはお構い無しに、2日はトンガ中が買い物に出かけた

コンビニやスーパーはビニールシートで入り口を覆い、お店の中には入れずビニール越しに注文してそこで受け取るやり方になっていた

ガソリンスタンドは長蛇の列で道路にまで並んでいた

プロパンガス屋はもうどうやって並んでいるのか分からないくらい人がうじゃうじゃ集まっていた

見たところ全員マスクをしているが
長蛇の列や人混みにいる様子を見ると
コロナを恐れているのではなく
お店が閉まる事を恐れているようだった

そして18時になると、嘘のような静けさに包まれた

旦那はコミュニティポリスとして町の道路封鎖をしに出かけた

朝になるまで道路で見張る

もし違反者がいたり
酔っ払いが歩いていたり
集まってカバを飲んでる人がいたら
警察に通報する役だ

町を守っている正義感が楽しいらしい

すごい渋滞

娘のスクール

初登校日

welcome to new world

胎盤を入れて熱湯をかけてるところ

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