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自然の中で手仕事体験

沖縄タイムスのコラム「オフィスの窓」
2023年4月16日〜9月3日の間で全5回連載。

今回は第3回目のコラム連載を掲載します。

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」は2021年7月に世界自然遺産に登録されました。「世界自然遺産」という文字からは、人里離れた「手つかずの森」のような印象を受けますが、実際はそうではありません。


 やんばる3村(国頭村・大宜味村・東村)の海沿いには、世界自然遺産エリアを取り囲むようにして全部で43もの集落(字)があります。
集落とは人里だけを指すのでなく、最も標高の高い脊梁から、魚やタコを採っていた海の中までを含みます。集落を起こし暮らしてきた人たちにとっては、森も暮らしの場の一部だったのです。
 

世界自然遺産に認められたのは、すぐ隣で暮らしながらも資源を損なうことなく、うまく利用し共存してきた文化・歴史があってのこと。やんばるホテル南溟森室では、こうした「自然と共存する叡智」を伝えるアクティビティを提供しています。

例えば、国頭村の謝敷集落にあるフクギ並木から集めた枝葉を使った染色体験です。フクギからは鮮やかな黄色が出ますが、フクギ並木の美しいたたずまいを保つためには、剪定や落ち葉のそうじなどの手入れが欠かせません。
 
ふだんから手入れを担っている集落の方と一緒に染色体験を行うことで、フクギをさまざまな形で暮らしに生かしてきたエピソードが問わず語りに語られ、伝わっていきます。
 

また、稲わらを手でより合わせ、ガンシナーと呼ばれる鍋敷きなどを作る手仕事体験のプログラムも好評です。集落と集落の間の山に分け入り、鳥のさえずりや葉ずれの音を聞きながら、風が吹き抜ける半屋外の工房で黙々と作業に打ち込むこと数時間。言葉を交わしても交わさなくても、一緒に手を動かすことで、集落の方と遠くから訪れたお客さまの間に心の交流が生まれます。
 

ともに自然とつながることで、人間同士もつながれる体験は大好評をいただいており、私たちホテルのやりがいのひとつです。(やんばるホテル南溟森室運営会社Endemic Garden H 代表取締役)

沖縄タイムス コラム「オフィスの窓」
仲本いつ美 連載

やんばるホテル南溟森室 
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