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130年間、幻とされた花


七段花 (シチダンカ)


ヤマアジサイの変種となる。


10~15枚の水色、又は濃青色の装飾花の
うち、外側のものは楕円形で大きく、内側に
いくほど小さく星型に重なり合った可憐な花
として形成される。また、両性花も八重化、
雌雄の蕊自体が退化しており、咲くに従って
枯れてしまう事から種子が出来ぬアジサイの
品種となる。


江戸時代に、オランダ商館付きの軍医として
やってきたドイツ人のシーポルトは、日本の
植物を調査し、多くの植物のイラストと解説
記録の『フローラ ヤポニカ』(日本植物誌)
を発刊した。そのイラストは一枚一枚が芸術
の域のものであり、その中に今回の記事掲載
の『シチダンカ』を紹介している。


その本が日本に渡ってきた時、シチダンカは
誰もその実物を見た事がないと云う事となる。
日本で多くの植物学者がこのアジサイの正体
を求めて血眼になり探すも、結果は得られず
正体不明のまま、このシチダンカの存在自体
保留とされたのである。


1959年(昭和34年)に六甲山地でこの
シーボルトの記録通りのアジサイが見つかり
室井博士によって『シチダンカ』である事が
確認されたのである。シーポルトの発見以来
実に130年もの間『シチタンカ』なるこの
アジサイは『幻の花』であった訳である。


七段花の名は、八重咲からなる花弁の重なり
が七段になるものだと付いた名とされるが、
実際にはこれを数えると四段重ね程度となり
ちょっと盛った名となっている様である。


この花は額咲の装飾花で構成され、八重咲と
中性花として、生殖能力を有さず種子を生む
能力がないものである。発見されたその後に
同じ六甲にある神戸市立森林植物園によって
挿し木による繁殖が取り組まれ、現在では、
日本全国の各地にてその美しい姿を見る事が
できるアジサイとなったのである。



和名 七段花 (シチダンカ)
洋名 SHICHIDANKA (シチダンカ)
学名 ハイドランジア セラタ
   (HYDRANGEA SERRATA )
分類 ユキノシタ目、アジサイ科、
種類 落葉低木
草丈 100〜150cm
開花 6〜7月
花色 藤、桃
花径 2〜3cm
花弁 十数枚(萼片)
花形 八重咲
原産 日本、六甲山、固有種
言葉 辛抱強い愛情
   元気な女性
撮影 神戸市立森林植物園

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