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根も葉もない植物で大屋敷を獲得


松葉蘭 (マツバラン)


マツバラン目、マツバラン科、マツバラン属


常緑多年生羊歯類で、着生植物となる。
これは特殊生態をもつ植物である。


この植物には他の植物に当たり前にあるべき
ものが欠損しているのである。
タイトルにて一部ネタバレはしてはいるのだが   
その無いものとは、なんと三つもある。いや、
三つない。


ひとつ目は、根っこがない。
ふたつ目は、葉っぱがない。
みっつ目は、花が咲かない。


『根も葉もない』の言葉をそのまま再現して
いる植物なのだが、そもそもが根も葉もない
植物などこの世に存在せず『出鱈目な話』を
指しての言葉なのがここにそんな変なものが
実在するのだ。


物珍しいものに惹かれるなんて事は現代の社会
だけの話ではなく、江戸の時代でも同じであり
『世にも珍しい根も葉もない植物がある』
その噂は江戸のみに留まらず全国へと拡散した
もちろん今のネット社会のスピードに及ばない
ものなのだが確実にそれは拡散していった。


そんな凄い珍奇植物なら、何とか手に入れねば
と国内の多くの大富豪たちが身を乗り出しては
破格の金を積んでこれを購入したという。


江戸時代の園芸業を営む者がこれをひょんな事
から入手して販売したところ、こんなに珍しい
植物を!とある大富豪から大屋敷を譲り受けた
話も逸話として残っている。





今の世も珍奇な植物、ビザールプランツは高値
で売れるものもあり珈琲豆程の小粒な多肉植物
が百万円もするなんて話もあるが大屋敷を譲り
受けた話などはあまり聞いた事がない。


松葉蘭は、『姿』『質』『斑』 の三つの基準で
その価格が決まったそうである。そんな珍奇で
高級な植物を置いておく鉢(根なしゆえ植える
訳ではなく、ただ置いておくだけ) にもそれに
負けない高級なものが使われたと云いその為の
鉢は『松葉蘭鉢』の名が付いて高く販売された。

根も葉もなくば、花もない植物。写真の中の
花に見える鮮やかな黄色いものは胞子嚢であり
季節になると胞子をばら撒いて拡散する。


この植物は、4億年も前の古代時代の植物とも
構造が酷似してて、シーラカンス植物の異名を
持っているものなのである。

この当時は『松葉蘭鉢』と呼ばれていたのだが
今では『蘭鉢』の名称で売られており、土不要
の鉢ゆえ、底部には大穴が開いている。松葉蘭
の歴史を知らないと『なんじゃ、この鉢は!』
となる。されど、当時の高級鉢として作られた
それは九谷焼、有田焼、と様々な高級ブランド
がこの鉢作りに参戦したものである。



なお、この記事はここNOTEに移転直後に
書いた記事をリニューアルして再投稿した
ものである。移転直後の頃はとっとこと投稿
すれども、閲覧件数1桁代のオンパレードと
気合い入れた記事を連発すれど鳴かず飛ばず。
そんな記事のリバース編となっている。

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和名 松葉蘭 (マツバラン)
   箒蘭 (ホウキラン)
洋名 ウィスク フェルン (WHISK FERN)
学名 プシロタム ナダム
   (PSILOTUM NUDUM)
分類 マツバラン目、マツバラン科、マツバラン属
種類 常緑多年生羊歯類
   着生植物
草丈 10〜50cm
開花 なし
原産 日本
言葉 なし
撮影 服部緑地都市緑化公園 温室ブース
写真 茎、胞子嚢

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