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PINANG

ピナン (PINANG)


ヤシ目、ヤシ科、ビンロウ属の常緑高木。

マレー半島を原産とする特徴のあるヤシで
ペナン島の名はこのヤシの木が多く自生を
していた事に由来するものである。


このヤシは幹の中段より下部は一般のとも
変わらぬが、幹の上部は緑色のスベスベ状
で他のものと違い、見分けがつきやすい。

そしてもうひとつの特徴は真っ赤な実。
幹の上段と下段を隔てる境目あたりからは
真横にスッと伸びた茎の先に花がついた後
成った実が緑色から鮮やかな赤色へ変わり
それは真っ赤なドングリにも見えるもの。
シオシオになった後に落下する。


この樹木のこの実は噛みタバコの様にして
昔はクチャクチャと噛まれていたもの。
洋名となっている『ベテル パーム』。これを
噛む行為を『ベテルチューイング』という名
で呼ばれていた。コショウ科のキンマの葉に
石灰を塗り、まだ赤く熟す前のピナンの実を
細かく刻んだものを噛むのである。


日本には、あまり噛みタバコの習慣はなくて
東南アジアの各国に於いて流行ったものであり
辛味、渋味、苦味、の三拍子を楽しむ嗜好品で
昂揚感も得られる事から一般のタバコと同様に
常習性や中毒性があるもの。

この独特の味の主たる成分は、ピナンの実の中
に含まれているアルカロイド成分によるもので
これを噛むと唾液と反応して、口の中は真っ赤
に染まる。この噛んだ液を飲み込むと胃袋には
良くない為に道端へ吐き捨てる事になるのだが
これがきちゃない。その上、まるで血液の跡に
見えるという事もあって、このピナンを噛むと
云う行為そのものが規制されて、火を付ける
タバコに世代交代をした。一般のガムも禁止を
される国もあり、タバコも禁止エリアが拡大し
世界で嗜好品の残されるものは無くなっていく。


こちらのピナンの実に含まれるアルカロイドは
発癌性物質であり『死の実』とも呼ばれている。
国際癌研究機構(IARC)は特に喉頭癌発症の
危険性を正式に発表しているものとなる。

これの洋名にはべテルパームやベテルナッツと
ついているのであるが、これはこのピナンでは
なくて噛みタバコをする際の葉っぱの事であり
コショウ科のキンマの学名、洋名からくる。


沖縄県では、景観を鮮やかに飾る街路樹として
あちこちに植えられており、カヌー合宿の際に
これと出会えるのを私は楽しみにしている。


和名 檳榔 (ビンロウ)
   檳榔樹 (ビンロウジュ)
洋名 アレカ ナッツ (ARECA NUTS)
   ベテル パーム (BETEL PALM)
   ベテル ナッツ (BETEL NUTS)
   ピナン (PINANG)
学名 アレカ カテチュ (ARECA CATECHU)
分類 ヤシ目、ヤシ科、ビンロウ属
種類 多年生
草丈 10〜30m
開花 夏
花色 白、黄
花径 25mm
毒性 アレコリン(ARECOLINE)
   アルカロイド
症状 喉頭癌を誘発する危険性を有する
原産 マレー半島
渡来 奈良時代 (薬用目的)
言葉 崇高美
   熱愛
   童心
撮影 沖縄県宮古島の全域

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