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オバボタル


姥螢 (オバボタル)


コウチュウ目、ホタル科、オバボタル属


豊富な種類の紫陽花を見るためにやってきた
神戸市立森林植物園。その中で植った本数が
最も多いのが、姫紫陽花(ヒメアジサイ)。


色々と写真を撮っている時に、アジサイの上
のんびり佇んでいたのがこの蛍(ホタル)。


蛍(ホタル)という虫は、他の種もそうだが
忙しなく動き回る虫でなく、飛んでいる姿も
何となく頼りなく弱々しい印象がある。


そんな儚さげな動作だから、女性たちからも
恐れられずに、安心してその姿を見るために
平家蛍(ヘイケ)や、源氏蛍(ゲンジ)達の
鑑賞ツアー会が開かれるのである。


今回の写真掲載のホタルは、平家や源氏とは
違う世界の蛍となる。


平家蛍の幼虫の餌となるのは水中に生息する
モノアラガイというタニシにも似た巻貝で、
源氏蛍の幼虫の場合は綺麗な川に棲息してる
カワニナと云う長細い巻貝であり、どちらも
流れの緩やかな小さなせせらぎ程度の小川が
近くにある環境が必要となる。


平家も源氏も極端にその数が減ってきたのは
河川の水質が悪くなる事により、これらの餌
となる貝類が激減した事によるものである。


このオバボタルは、幼虫の時に過ごす環境は
河川ではなく、土中となる。この虫が土中の
何を餌としているのか明確にはなってない。


ただ、綺麗な水質が必要な平家や源氏よりも
リスクが少ないものと思われる。


ヒメアジサイの上に居たのは、オバボタルの
オスである。これのメスは表にはほぼ出ない
もので葉の裏にひっそりと隠れて過ごすため
これを見つけ出すのは困難とされている。


ヒメアジサイの上にいるオスは、メスが放つ
フェロモンをリサーチしている場面である。


この螢にも一応は発光器官があるにはあるが
その赤光は目立たないのと、メスの個体自体
が物陰に隠れているので、パートナー探しの
道具としては何の役にも立たない器官となる。


このオバボタルのオスが持つ櫛型に発達した
触覚は、そんなメスのフェロモンを捉える為
だけの大切なアンテナなのである。アジサイ
に止まってはいるが、マッチングアンテナを
一生懸命に立ててパートナーリサーチの最中
の姿なのである。


良きパートナーに出会えると、また、来年も
その子供達の同じ様な姿を見る事が出来る。


これを見つけてくれたのは、ハイキング参加
のメンバーの観察眼の優れた女性によるもの
であり、そのおかげでこの記事掲載となった。
仲間にはいつも感謝である。





和名 姥蛍 (オバボタル)
学名 ルシディナ ビプラギアタ
   (LUCIDINA BIPLAGIATA)
分類 コウチュウ目、カブトムシ亜目、
   ホタル上科、ホタル科、
   オバボタル亜科、オバボタル属
体長 7〜12cm
分布 日本、北海道〜九州
   朝鮮、サハリン
場所 神戸市立森林植物園、紫陽花園
撮影 24年6月29日

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