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由緒正しき家柄とは?関係が無ければ無意味でしかない

私の小さい頃、由緒正しき家柄を自慢する子供達が大勢いた。

平家、源氏、聖徳太子、坂上田村麻呂、織田信長の末裔等

歴史の教科書に載る有名人のバーゲンセール状態であった。

<由々しき先祖の末裔は他の子供と違うと思いきや>

ファミコンカセットの接触が悪い時、必死に端子にフーフー息吹きかけている。(※尼崎市民は舐めていたらしい)

ドッチボールで「今の顔面セーフな!」と鼻血を出しながら必死に叫んでいる

捕まえたクワガタをカンペンの筆箱に隠す。コンパスで筆箱に空気穴けている時に、誤ってクワガタを刺してしまい、授業中に突然泣き崩れる。

そんな友達が由緒正しき立派なお屋敷や豪邸に住んでいるのか?

みんな同じ市営団地じゃないか!

同じ市営団地に住んでいる人達の生活レベルは変わらない。他人と比較して優越感を得たいのなら、家柄に誇りを持つしかないのだろう。

私は”くだらないこと言うやつらだなぁ”としか思わなかった。

由緒正しき家柄を証明するものは「苗字」であり「家系図」となる。

しかし、家系図が全て正しいモノとは限らない。明治時代に粉飾した家系図や、でっちあげの家系図が氾濫した様だ。

江戸時代は昔は名字が無い人が多かったが、明治8年の苗字必称令以降、誰でも苗字を名乗ることができた。

①江戸時代以前の名字を名乗る
②江戸時代以前の先祖が名乗っていた名字を復活させた
③江戸時代から名字を名乗ることを許されていた武士や公家
④庄屋、名主、お寺の住職などの方につけてもらった
⑤地域や集落で連帯感を表すためにみんなで名乗った
⑥自分で名字を届けた

苗字の中で、由緒正しき家柄は①~③となる。④~⑥は確認する術がない。

私の先祖は由緒正しき家柄だったらしい

祖父母は自営で繊維関係の卸売りをしていた。両親はその後を継いだ。

祖父母は豪邸に住んでいたが、父も祖父も超ドケチであり、私達は団地住まいで極貧生活を強いられていた。

祖父のお葬式の際に、家柄のことが判明する

お葬式は何故か豪華であり、弔問に芸能人の政治家が来ていた。何でこんなことになるのか意味不明であった。

私の苗字は、ある地域の町の名前になっており、一族の本家がある。同苗字の人達は、その地域発祥の人である

祖父は本家直系の三男であり、商売がしたいからと勘当されて郷土を去っていた。父も祖父も家柄を話さない理由がそこにあった。

勘当をされても、商売をする上で一族の人脈と影響力が必要だった為、売り上げの何割かを本家に上納することで関係を保っていたらしい。

上納金は総額で億を超えており、母は真実を聞かされて卒倒していた。

祖父が亡くなって20年後、父は本家への訪問を許された。

父はすでに高齢となり、私と一緒に生きている間に1回は訪問する気でいる。何かの儀式が必要らしく?以前に予定を立てていたが、コロナで延期、最近は腰が痛いと言い始めた。

もうないだろうなぁ。

私は正直どっちでもいい。父はもう行く気が薄れている。

これまでも無関係だったし、これからも無関係で支障も無い。私のアイデンティティの形成に家柄が影響したことは一切ない。

お客として行くので旅費はタダになる。家族と旅行がてら楽しめるのならいいかなと思う程度だ。

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