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「あみもの」第31号

評を書くのが苦手で、というか「私なんかがおこがましい…!」という気持ちがどうにも抜けない。
先日、歌会に参加した時に「この歌は読み切れなかったから当てられませんように!」って願ってしまって、こんなんじゃダメだろと反省した。
だってせっかく歌会に参加してるのに逃げ腰なのはもったいないし、参加してる人にめちゃ失礼だし、スタンスがダサい。

思春期めいた自意識を克服するため、打席に呼ばれたらいつでもヒットを打つ心を手に入れるため、評を考える習慣をつけようと思う!
というわけで、毎月お世話になっている「あみもの」から歌を引かせていただきます。

ルール
全方位に対応できるようになるため、対象となる連作は抽選アプリでランダムに決める。
何首目の評を書くかも、抽選アプリで決める。

今回は…、「あみもの31号」の16p!
(いきなり最後のページ!)

◯少なくある 松本未句さん
9首連作のなかから、1首目を引かせていただきます。

終始薄い膜越しに見ている心地になる連作だった。この1首目からその距離感は始まっていて、最後まで縮まらない。主観っぽさが薄いけど、主観なのが不思議な感じ。乖離してるけど、完全に離れてるわけではなく少しズレてるくらいの距離にいる。
煙草を吸ってるのも身体に害があるのを知ってるけど、リアルな危機は感じてない(なにかと実感が薄い)っていう主体の希薄さを補強してると思う。

◯誠実 村田馨さん
8首連作から、5首目を引かせていただきます。

「暁烏(あけがらす)」が分からなくて辞書を引いた。最初に烏じゃなくて鳥で調べてしまい、出てこなくて悩んだのはベタすぎる漢字の見間違いですね。。
意味は「男女の交情の夢を破る、つれないものの例」とあって、「雛を咥える」から隠微な雰囲気を感じとりそうになったけど、それは違うので、もうひとつの意味「明け方に鳴くカラス」で正しいと思う。
言葉の意味を調べる前は「明け方から行動してる鳥のことかな?」と思ってたので、知らない言葉は今後もちゃんと調べよう!と胸に刻んだ。
明け方にツバメが自分の雛をどこかへ移動させてるのと、カラスがツバメの雛を餌にしようと連れ去ってるのでは歌が全然変わってくる。
ところで、「旅の途中」なのはやっぱりカラスのほうなのだろうか。ツバメの雛はまだこれから旅に出るかもしれなかったけど、もう旅に出ることはない。うっすらと皮肉が効いてて、全体的にもの寂しい歌にあってる目線だなと思った。

今回は以上です。
ランダムに選ぶのは面白かったけど、連作数の少ないページを引き当ててしまったので、また同じ号でやるかも。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!

#あみもの短歌 #短歌

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