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渋谷にパンツで座っている男の子に、カフェオレを渡したこと。

先日、いつも通り渋谷の新南口を出たんだけど。。。この出口は、他の出口と比べたら人通りが少なくて、10時すぎでパラパラと出口から人がおりていってた。

階段下りた目の前にコンビニがあって通りすぎようとしたとき、何かおかしいな?と感じて、そこを見ると、若い男の子が座ってて。気にしながらも通りすぎようとしたんだけど、明らかに生き物として良くないコンディション(心も体も)だと思って、通り過ぎたところでつい立ち止まってしまった。

振り返って彼を見ていると、ほとんどの人は気づかない。たまに、気づいた人は心配そうな感じもしたけど、なんだ?って思っているだけのようにも見えた。

そんなことはまぁ良くて、それよりも、この状況を見過ごして何も手を打たない自分のことを、今日いっぱい、いや、先々も小さい後悔として残すだろうって、分かってしまっていて。何か自分のためにもやらねば、、というか、まぁ、何か声だけでもかけたい気持ちになった。

あとで、会社にいって、同じ出口を使っている人に聞いたら、気づかなかったって言ってて、気づかなかったのか、その時はいなかったのかもしれないし。家にかえって、息子にこの話しをしたら、立川にいけば、夜中でも朝方でも酔っぱらって座りこんでる人なんて普通にいるよ、と言われた。

私も、この座っている男の子が酔っぱらっているだけかもしれないというのは予想のうちの大きな一つとしてあった。でも、彼女に振られたのかもしれないし、仕事をなくして寝る場所がないのかもしれないし、もっとひどい災難に巻き込まれたのかもしれない、とも思った。

その短時間で想像したモヤモヤを行動に移したのは、その男の子がズボンを履いてないことだった。パンツは上着で隠れててちゃんと見えた訳ではなかったけど、黒っぽいスラックスがある程度丁寧に畳まれて足元に置いてあるのを見た。

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これは中途半端に私が声掛けてどうこうならないかもしれないから、風邪ひくまえに交番にでも連絡しようかなと思ったけど、、、それが彼にとっていいことなのか?甚だ怪しいと思ったので、電話するのはやめた。

それは12月のことで、ともかく寒いのにパンツかい、、、風邪ひくよ少年、、、でもないのかな、20才くらいだったと思う。


かあさんは、心配だよ。

どうした?

酔っぱらったのなら、しゃんとしなさい。

悲しいことがあったのなら、聞いてくれそうな友だちはいないの?


それで、やっと迷走した気持ちがたどり着いたのが、温かいものを体に入れた方がいいということで、戻ってコンビニにはいって、ペットボトルのホットのミルクティーを買おうと思ったけど、だってコーヒー嫌いかもしれないから。だったら緑茶でいいじゃないかと思うだろうけど、その時の私は、甘くてあたたかいものをあげたかったので、諦めてカフェオレで手を打った。

外にでて

「大丈夫?」と声をかけたら、

少しだけ顔をあげた。

「これ良かったら飲んでね。」っていってカフェオレを足元に置いたら、

まぶたを落としながら頭を少し下げた。


一緒に横にしゃがみ込む勇気はなかったな〜。ただの酔っぱらいかもしれないと思うと、自分がバカバカしいと思ったからかな?彼が一人でいたいかも〜と思ったからかな。。。恥ずかしいと思ったからかな。

そこに誰もいなくて、時間があったら、しゃがみこんだかな。


で、反射的にこの一連のことをやった私だけど、未だにたまに思い出す。だから、これを書いている。


元気かな?


正直どうでもいい。うそ。どうでもよくない。

意味がなかったかもしれないし、カフェオレ嫌いだったかもしれないし、面倒だと思われたかもしれないし、

そんな事だから、当然立派でもない。分かってる。

私がカフェオレを渡したとて、彼も、世界も変わる訳ではない。


ただ、

元気かな?

と思っている。



このおせっかいは世界を変えない。


でも、


空振りでも、意味がなくても、おせっかいでいようと思っている。


空振りな妙な不効率な心配や優しさが、自己満足だったとしても、はっきりしないことに


大丈夫?と言いたい。



それで損したっていい。そもそも無料です。

あ、カフェオレ代は、今回はかかったけど。



おせっかいだから、繋がれることも、あるだろうと思う。



元気だといいなぁ〜。

少なくとも、ズボンは、履いているだろう。


こんな時代で、大丈夫か大丈夫じゃないかぼんやりさせてきた人たちが、はっきりと大丈夫じゃなくなってしまった人もたくさんいるだろう。そのことを想像すると、胸がぐ〜っとなる。

元気だといいなぁ。








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