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e-Taxが思いのほか賢かった件

個人でも事業主でも確定申告ってのを2月~3月にやる方は多いと思います。
医療控除とか雑収入(株式なんかのお仕事以外の収益とか)を申告する時に使いますよね。

法人にも確定申告ってのがあります。
いわゆる決算のことですね。
形式的には決算は法人としての年度最終集計のこと、確定申告ってのは最終集計に基づいて税額を決める手続きです。
ま、個人の確定申告と大きくは違いません。

違いがあるとすれば、書類の多さでしょうね。
個人だったら、申告書の他に数枚の書類(これでも面倒ですが)を用意すればおおむね事足りますが、法人となるとかなりの書類を出さないといけません。ウチみたいな一人会社でも20枚くらい作りました。

で、その書類の山を作るのを手伝ってくれるソフトがあります。
国税庁が提供しているe-taxソフトというものです。

これは個人で使うe-Taxのサイト(www.e-tax.nta.go.jp)とは全く別物です。
個人事業主なんかはe-Taxのサイト上でおおむね事足りるのですが、法人は上で書いたように、多くの書類を作らないといけなくて、e-Taxのサイトでは全く機能が足りません。
で、e-Taxのサイトとは別に法人税や消費税の申告書類を全部(だと思う)引き受けてくれるソフトが作られてて、それが「e-Taxソフト」です。
画面はこんな感じ。

で、このソフト、非常に良くデキていると思うのですが、使い勝手は最悪の部類。よくある「わかってる人は使えるけど、よく知らない人には非常に冷たいソフト」です。

ウチはインボイス登録してますんで、消費税の納税をしないといけません。書類そのものは3枚作ればいいだけなんですが、この入力になんぎしました。

消費税は全ての個別売上と経費から得るのが本則で、これがもう死ぬほど面倒臭いのです。
言ってみれば、全売上の消費税ー全経費(仕入れ、宣伝、運送料など)の消費税の計算をするだけなんですが、経費側の消費税計算が恐ろしく複雑なnですね。
給料など消費税がかからない経費、お客さんとの飲食は8%、交通費は自分で税額を逆算とか、1年分の全経費を個々に計算するなんて、とてもやってられません。

てなことは、国税庁も百も承知で、売上5000万円以下の小さな会社だけは簡易課税という手抜き方法が許されています。
これなら、売上から計算した消費税の○割(業態による)が納付額という極端にシンプルな計算で済みます。

だから、簡易税制に限っては以下の4つの値を記入するだけでいける計算。

  • 課税標準額(要は税引前利益)

  • 課税標準額の10%(本来の消費税額)

  • そのうち、仕入れ分の消費税額(業態によって異なるが計算一発)

  • 最終的な消費税額

うん、シンプル。
が、たった4つの値をe-Taxで入力するのにエラくハマってしまったんですね。というのは、この値って、3枚目の明細から入力せんとアカんのです。

つまり、明細書を先に作り、その後に申告書を作らんとアカんのですね。
なんでこうなるかと言うと、e-Tax側で自動計算をしてくれるからです。

って、そんなん知らんがな。
そもそも自動計算できるんやったら、最初から言うてくれよ。せめて「このセルは自動入力されるで?そんでも入れたいの?」と聞いてくれよ。
てか、自動入力可能なセルと入力せんとアカんセルの色を変えるだけで気づけるやんか。

こんな事情を知らずに、申告書から作り始めると「その値は自動計算なのに、アンタは入力しちゃったよね。それで通すこともできるけどどうする?」って聞かれる。しかも後で明細を入力していくと、そっちでも「矛盾の可能性があるけど大丈夫?」とか聞いてきます。
だ・か・ら、後出しジャンケンせずに最初に言ってよ。

せっかく、複数帳表にまたがる自動計算ってスゴい機能を実現してるのに、それに気付かれずに「何て使いにくいシステムだ。ぷんぷん」となっては作ったシステム屋さんが浮かばれません。
もう少し良い告知方法はなかったんでしょうかね。

システムで嫌われるのは、こういった「後出しジャンケン」をたくさん持つシステムです。
細かな例外というのは必ずありますから、そこまで利用者に告知するとウザいのでしません。でも、今回のような誰もが遭遇するケースでは何らかの情報提供をしないと、特に慣れていない利用者にそっぽを向かれてしまいます。

改めてシステムの利用者インタフェースを正しく伝えることの難しさを感じた次第。

でもね、e-Taxの複数帳票にまたがる自動計算機能ってスゴいよ。膨大な帳表の組み合わせがあるんだから、うまく動くように作るのは相当な難易度で、システム屋さんはかなり苦労して実装したはず。

作った皆さん、お疲れ様でした。

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