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2023年版パソコンの捨て方(No332)

前回は、パソコンは定期的に(ノートパソコンなら3~5年程度)買い替えをすることをおすすめしました。

壊れてもないものを買い替えるというのももったいない感がありますが、使いたい時にトラブルが起きて振り回されるのは大変です。

不要なトラブルを避けるためにも定期的な買い替えは必要だと筆者は思います。

といいながら、筆者は10年以上使っているパソコンをたくさん使っています。
こういった古いコンピュータを敢えて継続利用する方法もないわけではありませんが、一般的とは言えません。これについては別の機会にお話したいと思います。

今回は、買い替えの時に必要となる、古いパソコンの廃棄方法についてお話します。


パソコンは賞味期限のある製品

パソコン(PC)には賞味期限があると考えるべきです。

パソコンメーカは毎年のように新モデルを発表し、旧モデルの製造を終了させるのが通例です。

これは、CPU(コンピュータの中心となる計算ユニット)などの部品メーカが毎年のように新モデルを発表するため、それに合わせて新製品を発表しないと競走に乗り遅れてしまうためです。

同じような価格でより高性能なPCが手に入るのは結構な話です。
ですが、製造終了後から5年程度で修理受付や保守対応も終わってしまいますから、旧製品の利用者にとっては必ずしもメリットとは言えません。

パソコンの保守といってもピンと来ない方が多いでしょうが、PC自体にもBIOS(Basic Input Output System)やファームウェアなどと呼ばれる独自プログラムが含まれています。
このファームウェアの中に脆弱性を含むバグが見つかる場合があります。
パソコンの保守期間内であれば、メーカはその修正版のファームウェアを提供してくれますが、保守が終了するとその提供もなくなります。

こういった点からもパソコンには賞味期限があると思うわけです。

誰に旧パソコンを引き取ってもらうか?

いざ買い替えとなると、次の問題は古いパソコンを誰に引き取ってもらうのか?という点になります。

オーブントースターや扇風機といった電化製品なら自治体か廃品業者に出すのが一般的なように、パソコン(PC)の場合も引き取り先あいくつかあります。
 1. 新PC購入時に下取りしてもらう
 2. 中古パソコンとして売る
 3. メーカや自治体に回収してもらう
 4. オークションで売却する

一番簡単なのは新PC購入時に旧PCを引き取ってもらうことです。

クルマの下取りと同様で、年式が新しいものや高機能ならそれなりの価格で、古かったりショボかったりするとタダ同然での引き取りとなります。
大手の量販店などであれば、後述のデータ漏洩もまずありませんので、お手軽という意味では最強です。

次点となるのは、中古パソコンショップなどに持ち込んで売ることです。
量販店よりは気持ち高い目で引き取ってもらえるようです。

それでも、引き取ってもらえないような場合は、メーカや自治体に引き取ってもらう方法があります。

2003年とかなり前から「PCリサイクル法」とい法律が定められ、メーカは製品のリサイクルの面倒を見なければいけないルールになっています。
そのため、PCの販売時にはリサイクル費用を上乗せすることになっています。
ですので、一般的なノートパソコンはリサイクル費用込みで売られていますから、メーカに無償引き取りを要求できます。

余談:
 リサイクル費用支払済はPCリサイクルマークで確認できます。
 以前はデカデカとシールが貼ってありました。
 最近はパソコン裏面のシールなどに小さく記載されていることが多いようです。

また、2013年には、「小型家電リサイクル法」が制定され、タブレットやゲーム機、ノートパソコンなどを自治体で回収リサイクルすることが義務づけられました。

ですので、お住まいの自治体で無料引き取りしてもらうことも可能です。

最後にオークションなどで販売する方法についても書いておきます。

この方法は一番高値で売れるのですが、筆者は全くオススメしません。
オークションというのは双方でリスクを分かちあうシステムですので、双方に知識やトラブル時の解決能力があることが前提です。

そういった対応能力がない方がオークションに参加すると、どちらにとっても不幸な結果になる可能性があります。なので、筆者としてはオススメはできません。
(トラブルが起きなければ確かにおトクなんですけどね)

特殊なパソコン

ちょっと本題から外れますが、通常の方法では引き取ってもらえないパソコン(PC)というものがあります。

いわゆる自作パソコンと呼ばれるような、パーツを自分で買い集めて作ったPCの場合(ほとんどはデスクトップ機です)はリサイクルマークがありませんから、メーカ引き取りはもちろん、自治体でも引き取ってもらえないことが多いです。

また、海外で購入したPC、(PCリサイクル法以前の)恐ろしく古いPC、などもリサイクルマークが付いていませんので、引き取り手を探すのは大変です。

こういったパソコンについては、自治体にリサイクル費用を別途支払って引き取ってもらうことになります。

もちろん、それが稀少品であれば、中古ショップやオークションでも売れるかもしれませんが、そのような機器はごく少数ですので、一般には自治体引取りが正解でしょう。

なお、製造メーカが倒産した場合はメーカ引き取りは無理ですが、自治体ではおおむね引き取ってもらえるようです。

処分の前にやっておくこと

さて、コンピュータが扇風機などの電化製品と大きく違うのは、内部に秘密情報がたくさん含まれている点です。

業務用のパソコン(PC)であれば、Excel表などの業務情報が残ったままですし、個人用であれば、利用しているサービスのログイン情報や写真などのプライベートな情報が残ったままです。

場合によっては、IDやパスワードも残ったままかもしれません。

こういった情報は廃棄しておく方がいいに決まっています。

引き取ってもらう前には、プライベートな情報や業務情報は削除しておきましょう。
これも、完全削除(復元できないように削除)となると意外に大変なので、Windowsであれば、ファイルをゴミ箱に入れた上でゴミ箱を空にしておいてください。

通常のルートで引き取ってもらう場合は、これだけで構いません。

まず、量販店や信頼できる中古パソコンショップなら、再販売する時には確実に削除を行ってくれます。(そのお店の信用問題になりますから)
逆に言えば、そういった作業をしているから、オークションよりも安い提示額になり、オークションより高い価格で販売されているわけです。

次に、メーカや自治体に回収を依頼する場合も同様に先方で責任を持って処分してくれます。

オークションなどでの個人間取引の場合には、完全削除の作業をご自身で行っていただく必要があります。
ここでは詳細には立ち入りませんが、興味のある方は「物理フォーマット」や「ゼロフィル」などで検索してみてください。様々なデータ消去方法についての解説ページがたくさん出てくることと思います。

なお、量販店や中古パソコンショップに持ち込むつもりであれば、物理フォーマットやゼロフィルは避けた方が賢明です。
これを行うとPCとして起動しなくなります。そのため「引き取りできない」と言われる可能性があるためです。

まとめ

パソコン(PC)を買い替える場合には、旧パソコンを引き取ってもらう必要があります。

国内で普通に購入したPCならPCリサイクル法の対象になりますので、購入時にリサイクル費用は支払済で、追加費用はかかりません。

とはいえ、実際には量販店などでは下取りの形で値引きを行うことが多いでしょう。
もちろん、中古パソコンショップなどに持ち込むのもありですし、メーカや自治体でも無料引き取りはしてくれます。

旧PCの中に残ったままのデータが気になるところですが、量販店や中古ショップでは再販売する前に確実にデータ消去を消去してくれますので、あまり心配しなくて良いと思います。

今回は旧PCの処分方法についてのお話でした。

次回もお楽しみに。

(本稿は 2023年11月に作成しました)

このNoteは筆者が主宰するメルマガ「がんばりすぎないセキュリティ」からの転載です。
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