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「研修で得たいこと」という問いについて考える

研修の進行方法に唯一解はないと考えてますが。
手法について「導入時は慎重になった方がいいだろう」と思うものはあります。
特に社内研修については明確な意図を持ってやらないと逆効果になるでしょう。
今回はその1つとして、受講者に対する「研修で得たいこと」という問いについて考えてみます。

「この研修で得たいこと」を書かせる是非

研修冒頭で講師が繰り出す
・皆さんはこの研修で何を得たいですか
・どんなことを持ち帰りたいですか
・あなたはこの研修を通じてどうなりたいですか
という問い。
受講者を募って開催したセミナーにおいては学びを深めるために有効だと思いますが、強制力を働かせて参加者を集めた社内研修については、その問いが本当に必要かをよく考えてから実施した方がよいと思ってます。

なぜかと言うと、この種の質問は、受講者が研修に対して前向きな状態であることが前提のように感じられること。
そして、社内研修においてはその前提が成立していない可能性もありそうだと考えているからです。
そうであるならば、どうしても必要でない限り聞かなくていいんじゃないかしら、というのが最近の感覚です。

受講者が前向きな状態で来ているとは限らない

研修担当として気にかけておきたいのが、参加者が必ずしも学ぶ内容に対して興味がある状態、あるいは研修に対して意欲的な状態とは限らない可能性です。
もちろん学びの姿勢としては前向きな状態であることが望ましいとは思いますが。
研修実施までには社内でいろいろな要因が絡み合いますから、受講者の準備が整ってないまま研修の場に来ている場合は十分にあり得ると感じてます。

例えば研修の意義が浸透しきっておらず、
・なぜこのテーマの研修を実施するのか
・どうして自分が受講するのか
わからないまま集められているかもしれませんし。
あるいは、テーマに多少は興味があったとしても、研修タイミングが絶妙によろしくないということもあるかもしれません。
(仕事がとても忙しいときに研修へ呼ばれてしまった状態)

そんな風に「受講準備が整ってない状態」の受講者に対して、研修に対して前向きであることを前提とした質問をしても、「受けたくて受けてるんじゃないし…!」という心境になってしまうのではないかなと。

どこかで聞く必要があるなら、研修終わりに「職場へ持ち帰りたいこと」として聞くかなあと思います。

どうしても最初に何か聞くなら

ここまで書いてきた通り、個人的には持ち帰りたいことを無理に聞かなくてもよいし、それをやるより雰囲気づくりに注力してもいいんじゃないかな、というのが思うところですが。
それでも、強いて研修冒頭で何か聞くなら、テーマについて「知っていること」「どんな印象を持っているか」などでしょうか。

得たいことに比べると感情を揺さぶる種類の問いではないように思えますし、受講前後で
・知らなかったことを知れた
・印象の変化があった
ことの変化を実感できるかもしれません。

いずれにせよ、「他の研修でうまくいったから大丈夫とは限らない」というスタンスで臨みたいなと思っているところです。





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