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「研修の感想をどのように聞くか」を考える

以前の記事で研修の効果検証について思うことを書きました。

研修効果についてもう少し検討してみたくなったので、今回は研修アンケートの質問項目、特に最後の質問としてよく設定する「研修の感想」について考えてみます。

1.どちらの感想を求めるか

研修受講後に書いてもらうアンケート。
満足度などいくつかの選択式質問を設定し、最後に持ってくる「研修の感想を自由に書いてください」の問いかけ。

前提として、アンケートの提供側は
・研修の時間配分や講師の喋り方など全てひっくるめた含めた反応を見たいのか
・今回の研修に盛り込んだ項目が響いたか、役立ちそうかの反響を見たいのか
を明確にしておく必要があります。

「感想」と言えどイメージする範囲はさまざまで「研修項目について聞きたかったのに、あまり言及してもらえなかった…」ということがあるからです。
例えば
・説明がわかりやすかった
・お話が上手だった
という感想で、研修項目にふれてもらえなかったなど。

検証のためにアンケートを実施するなら、感想の想定を具体化し、答えやすい形で質問を投げかけていきたいところです。

2.では、どんな風に感想を聞くか


「丁寧にやっていくなら順を追って聞く方法かなぁ」というのが、現在の見解です。
(回答者として書く分量は増えますが。)

①今日の内容で印象に残ったこと
②1についての感想
(どうして印象に残ったか、自分はどう思ったか)
③今日の内容を受けてこれからやってみたいこと、できそうなこと
④その他の感想

質問前半を「印象に残った内容」に限定し、こちらの伝えたいことが響いたのかを検証するねらいです。
(時間配分や講師の話し方については後半④へ誘導)

研修内容の振り返りや今後の目標設定も兼ねているので、回答時間を確保する必要があります。
いっそのこと終了後に配布する形ではなく、研修最後に10分くらい一斉回答の時間をとってもいいかもしれません。

ちなみに、研修によっては最後に「まとめ」として、今日の気づきや目標を記入してもらうこともあると思います。
その場合はアンケートでここまで詳細に書いてもらう必要はなさそうです。
まとめとアンケート、どちらかで内容を思い返す時間を取れればよいかなと。

3.とはいえ、感想自体に優劣はない


丁寧に誘導したつもりでも、みんなが即時で言語化できるものではありません。

・研修直後は講師の話術に圧倒されていたけれど、その説明がずっと記憶に残っており、ある日なにかと結びつく…
・研修直後は通り一遍の感想しか書けなかったけど、いろいろ考えてみたらわかった…

タイミングは人それぞれ。
そうだとすれば、内容に関する言及がなかったとしても、ひとまずは素直な声として受け止める。
効果検証の短期的な視点と、見守りの長期的な視点。
もどかしさを抱えながら、続けてみたいと思います。

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