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ゴッホ・アライブに行ってきた感想

去年の12月にゴッホ・アライブ名古屋展に行ってきたのでその感想やあれこれを話そうと思います。自己語りが多くなると思いますがそれでもよければどうぞです。

まずゴッホ・アライブという展覧会なのですが、よくある美術館とは少し違ったものになっていて、『五感で楽しむ没入型展覧会』というコンセプトで開催されています。光、音、空間でゴッホが見た世界を追体験出来る…と言えば良いでしょうか。私はそういった展覧会に参加した事は無かったので、今回のような展覧会は新鮮でとても良い体験になったと思います。

入場料の2500円を払って入場。他の開催場所はどうなのかは分かりませんが、今回の展覧会は上の階と下の階とで分かれていました。下の階は絵画(の複製)と共にゴッホの生涯や時代背景などの紹介を見ることが出来たり、『アルルの寝室』や『ひまわり』などの特に有名な作品から作られた写真スペースがいくつか設けられてました。いくつかのスペースは専用のQRコードを読み込むとゴッホのデフォルメイラストが画面に写るので一緒に写真を撮る…なんてことも出来たみたいです。1人で行ったのでカップルの方達が楽しそうに写真を撮ってるのを見て苦笑いが浮かぶのでした。
進路を進んで上の階へ進んでびっくり。というのもフロアそのものがプロジェクターによって沢山の絵画が映し出されていたのです。壁や床にゴッホが生涯をかけて描き続けた世界が目まぐるしく出てきては消えて、音楽も相待ってすごく引き込まれました。私は立ったままその空間にいましたが椅子やソファーもあったみたいなのでゆっくり楽しむ、ということも出来たみたいですね。
20〜30分ぐらいでループしてたみたいで、一周見終わって満足したのでそのままグッズコーナーへ。色々ありましたが今回の展覧会のパンフレットだけ購入しました。Tシャツとか欲しかったけどサイズ的に着れないということがあった(過去に1敗)ので今回は断念。コースターやグラス、星月夜やひまわりをイメージしたキャンディーなどもあったのでもし行って面白そうなものがあったら手に取ってみてはいかがでしょうか?ちなみにパンフレットは展示スペースにあるゴッホの紹介がそのまま載っているみたいなので、後で色々見返したい私としては良い買い物をしたと思います。

という感じで楽しんできました。ここからは感想を話したりそれに関する自己語りだったりをしようと思います。

まずは下の階の展示物や写真スペースについてですね。展示スペースではゴッホの生涯や時代背景が絵画と共に細かく記されていて、そういう絵の裏側を知った上で見る絵画というのも中々良いなと思いました。ただ肝心の絵画がパネルの中に小さくあるだけだったので、複製でも良いから絵も実物大でじっくり見たいな…とも思いましたね。あまり下調べをしないで行ったので美術館並みに絵画があると思った私側に非があるとは思いますが。これは写真スペースも同様で、1枚2枚と写真は撮りましたがもし友人と一緒に来てたらもっと楽しめたんだろうな…と少し残念な気持ちもあります。ただQRコードを使った特別な写真撮影が出来たり細部までこだわりが感じられたりしたので、その点は高く評価出来ますね。
次に上の階の映像フロアですね。これが個人的に結構良いなと思いまして、時代順に絵がどんどん映り変わっていくのでゴッホがいた場所や時代、他作品からの影響、時には自分の精神状態によって絵柄が変わっていく様を感じ取れました。絵が流れるスピードが早い場面がいくつかあって見たい絵がじっくり見れなかった部分がありましたが、ゴッホが生涯に描いた絵の枚数を考えれば巻きで進むのも仕方ないんでしょうね…。また最初の方にも言った通り没入することを意識されて制作されているのでフロアの明るさや音楽もかなり調整されています。場面によっては専用の演出もありました。絵の中の汽車やカラスが動いたり、雨の演出が入ったり、他にも色々ありました。これは私個人の感想なんですが、そういう演出はもう少しだけ控えめにしてくれると嬉しかったかな…と思いました。描き手が見たものを絵として写し出しそれを見て受け手が色々想像する…というのが絵画の楽しみだと思っているので、そういう演出は答えのない問題で答えを先に出されているような、少しもどかしく何とも言えない気持ちになりました。没入型展覧会というコンセプトなのでそういう視点なら物凄く良く出来ている、とフォローを入れておきます。

ここからは自己語りですが、どうやら自分の中には謎のこだわりというか美意識があるみたいです。先程あれこれ話しましたが、完成された絵に演出を足すのはあまり美しくない、というのが本音でしょうか。同じようなものとして、寄木細工に美を見出したり折り紙工作をする時に糊を使わない作品を選びがち…というものがあります。勿論それ以外の作品を否定してる訳ではなく、もっと他に方法はあるのに技術1つで作り上げる作品が好き、という感じです。もしかしたら作品よりも作品に対して本気で取り組む作り手の情熱に惹かれているのかもしれませんね。まあ私は芸術家でも美術家でも無いのでそんな事を言ったところで…という感じではあります。

少しネガティブな感じになってしまいましたが、今回のゴッホ・アライブという展覧会は私としては物凄く楽しめるものでした。私の内面が色々出てきて、こういう場で自己語りをしてしまうくらいには新鮮で刺激的な体験だったので行って良かったと思います。2023年3月まで名古屋で開催していて、そこから6月までは神戸で開催されるみたいなので良ければ素敵な体験をしに行ってみてはいかがでしょうか?芸術について全く知らなくても楽しめますし、そこから好きな世界が見えてくることもあるかなと思います。
近い内に美術館巡りしたいな、と思いつつ今回の感想を締めくくりたいと思います。

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