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虚弱体質の生存戦略

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弱者には弱者の戦略がある。ということで、身体の弱い私の独特の世渡り術と、過去に出会った世渡りの巧者たちを取り上げ、この忙しい時代にどう「力を抜いていくか」を一緒に考えたい、という…
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#アルバイト

目的さえあれば無能ではなくなる

ここまで、三人の世渡り上手を紹介してみた。 筆者も世渡り上手にカウントしていただけるなら、四人だ。 もっとも、私が出会ってきた中での話なので、皆さんの中にも「あの人は本当に世渡り上手だ」とおもえる人が一人はいるかもしれない。 全員、目的は違っただろう。「生きていける立ち位置の確保」「人気を保つ」「世間体を保つ」「別の道を切り開く」「アイドルの応援をする」といった具合に、進路も皆バラバラだ。しかし、全員がまず大前提として生きることを目的としている。その上で、どう生きていくかとい

上手い人は目立たなかったりする

もう一人、アルバイト先で知り合った女の子もまた巧みに世を渡る子だったのを記憶している。こちらも仮名で、「大村さん」とでもしておこう。 もっとも、その大村さんにさえ私は「なかなかいない感じの人」と評されてはいたが、上手だな、と感じた。大村さんは、 「何もしたくない」 と常日頃言っていた。趣味を聞いても特にない、という。いわゆる「さとり世代」というやつかもしれない。 休日にはダラダラと動画を見たりしているらしい。やりたいこともなく、就職活動も嫌だと言っていた。ある日、何気なく