鍵盤音楽作曲家群像1
お気に入りの鍵盤音楽作曲家を紹介します。
チェンバロ奏者もさまざまな方を選んでいますが、私のイチオシをご紹介しております。
ジローラモ・フレスコバルディ
ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643)は、イタリア・フェラーラ生まれの作曲家で、多くの鍵盤作品の作曲で高名です。
門下にフローベルガーがおり、またフレスコバルディが発表した曲集である「音楽の花束」を大バッハが所持していたことが分かっていて、後世の多くの鍵盤作品に影響を及ぼしたと考えられます。
トッカータ・ヘ長調
➀トッカータ・ヘ長調
マルタ・フォルツによる演奏です。
とても爽やかで、心洗われるようなトッカータです。
生前に出版された版には収録されておらず、トリノ写本に記録されていたものとのことです。
➁ファンタジア4番
グスタフ・レオンハルトによる演奏です。
ファンタジアはフレスコバルディやフローベルガーにとっては、対位法を駆使した作品というイメージで、後代のファンタジーとは趣が変わります。
一言でいうなら、フーガ風の作品ということですね。
この作品には、上ずりたかまった気分を「鎮める」という効果があるように思います。
グスタフ・レオンハルトは古楽復興運動の第一人者で、彼なくして現代の全ての古楽演奏はなかったといっても過言ではない音楽家です。
まさに現代古楽演奏の父ですね。
➂パッサカリアによる100のパルティータ
エンリコ・バイアーノによる演奏です。
パッサカリア風の変奏曲で、後のパッサカリアやシャコンヌの源泉と考えると、とても興味深いです。
バイアーノによるこの演奏はとても情熱的です。
音楽がサブスクで気軽に聴けるようになりましたので、いろいろな演奏家を比較して聴けるようになったのはよいことですね。
他方で、一人の音楽を集中して聴く機会は顕著に減りました。
芸術を味わうには、一か所にとどまって傾聴する態度が大事なので、その意味ではネガティブなポイントです。
ただし、気に入った演奏を選択する、ということの重要性もあります。
現代はただ単に消費するだけでなく、選択して消費する、ということがキーポイントになっているのでしょう。
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