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濱松の歳時記 2月

二月
   まだ温し骨壷の妻けふ二月
初春
   初春や風がJA人疎ら
節分・豆まき・なた餅・木を叱る・ヤイカガシ
   恵方巻今宵壬(みずのえ)偏(ひと)へ食み 偏:ひたすら
立春
   立春やもう着ぬ妻が衣類減り
初午
   初午や先頭に立ち祈る父
なた餅
   なた餅や箕の新しき舞ふきな粉
山の講
   川に向き叫ぶ大声山の講
八日餅・事始め・おんべ・針供養
   母と搗く父残業の八日餅
針供養
   お喋りもけふはしずしず針供養
木を叱る
   そっと鉈低き首(こうべ)や木を叱る
建国記念の日
   歓声や餅飛ぶ空へ建国日
春浅し
   春浅し土手の兎の草の伸ぶ
虚空蔵さま
   友もゐて虚空蔵さまへ我もゐて
バレンタインデー
   バレンタインデー初めての味チョコレート
味噌作り
   麴屋の叔母さん元気味噌作り
春惜しむ
   春惜しむ就職組ピンポン台
春寒
   春寒し食べ尽くしたりチョコレート
雨水
   水墨の筆滑らかに雨水かな
雪崩
   胸躍る雪崩の音の誘ふ夜
残雪
   うす汚れ丸き残雪橋くぐり
春月夜
   春月夜最後のひとつチョコレート
春寒
   ネオン管春の寒さの待ち合わせ
春時雨
   それぞれの傘を挟んで春時雨
白魚
   ゆつくりと四つ手網跳ねる白魚
公魚
   公魚や覚悟を決めて別世界

   引き潮に鱵抗ふ昼下り
雪の果
   窓閉めて流れるホーム雪の果

   花札の枝振一声鶯


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