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俳句 舞いあがれ11月

11/30
手汗かき操縦桿や春雲へ
春の宵問題児ゐてお好みや
滑走路ライン真っ直ぐ春の空
ゴーアラウンド春光の空の中
復習や春の名残のパネル前
11/29
麗らかやそぞろ抑えてブリーフィング
格納庫翼の光春の朝
草萌ゆる操縦桿を滑走路
テイクオフ望みの叶ふ春の空
寝つけない初体験の春の夜
11/28
フライト課程待つ春の帯広へ
春の朝不安抱えて鬼教官
プロシージャー途中の止り春の昼
春の空操作手順書丸暗記
天気図や気楽な願ひ春の空
11/25
仲秋や赤いノートの誉め言葉
ヤシの木や卒業飛行見送りぬ
里帰りこの香この味栗を剥き
宅配の金の置物冬来る
格納庫出でて帯広春の空
11/24
冷やかや母の看病道閉ざし
新事業話すテーブル蜜柑の香
丸暗記テストの左右秋めく日
練習機新らたに涼し滑走路
秋めくやチームワークの空の道
11/23
カタールのネット揺らるや宵待月
宮崎のオセロに興ずクリスマス
お好み焼きとんがり帽のクリスマス
クリスマス口論焦がすお好み焼き
冬日和ポイントノート書き込みて
11/22
青空や入学祝の飛行機
葉や茂り入学式の蘇鉄かな
いい夫婦娘見守り木守柿
ばらもん凧四月の部屋の壁を背に
百五十皐月の空へ点検し
11/21
喫茶店角砂糖溶け晩夏光
朝寝坊晩夏の足の右左
目を閉じて適正テスト秋初め
晩秋や門で待つ赤い自転車
祝合格トマトで描くお好み焼
11/18
子に詫びて過去の出来事暮の秋
父選び残る娘残し秋名残
応え待つ父の望みの秋の星
仏壇の煌めく光秋暮るる
夢は飛ぶ五島の海の秋の空
11/17
ジャム瓶や箱詰めの音秋初め
爽節や洗濯物のはたき音
秋真昼迎え波止場の波静か
云ひ足らず喧嘩別れの春の宵
鍵開けて和解の涙秋の宵
11/16
太陽へ光の道の秋学期
秋遍路変われる心地道標
秋の日や海の色染む瑪瑙色
秋の月灯台抱き詩を詠みて
秋の宵何処にありや古本屋
11/15
お好み焼つかれた顔の秋の宵
崖の上忘れ携帯秋初め
Tシャツや秋来る夜の旅支度
秋浅し人生灯台を求め
灯台やさやか坂道上り詰め
11/14
人力機影を映して秋の湖
路地裏の階段響き宵の秋
反抗期見えない空を夜半の秋
珈琲の身に入む香り母の事
秋の月照らすカードやバースデイ
11/11
夕餉後三人みかん黙し剥き
古本屋閉店決めて秋の風
秋の宵字数の調説くやきみ
ずぶ濡れて春雨に追ふ母何処
説き伏せて夢実現へ春の宵
11/10
秋麗飛行機の腹父と見て
宵闇や星も見えなく路地の空
父の手の母の封筒居待月
決めかねて進路相談秋の朝
トレーダー秋の嵐を乗り越えて
11/9
浮き上がれ夏の雲待つコクピット
声援を地上に残し夏空へ
熱中症風の通らぬコクピット
メール添え処暑の湖浮く人力機
太陽へ夏の光粒湖の暮
11/8
髪縛り体重計へ季夏の朝
ばばばば語自問自答の扇風機
熱き日のたこ焼き返しくるくると
電話口五島の呪文熱帯夜
滑走路走り足音夏空へ
11/7
夜明け前涼し微風の滑走路
皐月富士友は知らずや浮遊感
夏服の携帯アンテナ伸ばす手
短夜の部品改良切粉飛び
人力機夏の終わりの琵琶湖待ち
11/4
ヘヤーピン五月の朝の坂登り
体重計皐月の朝の腹鳴ぞ
短夜の兄の電話のそっけなさ
朝凪や機体点検滑走路
舞いあがれ友下に見ていいよの日
11/3
人力機下に足音炎天下
坂登りドロップハンドル梅雨晴間
琵琶湖畔南風の貫けてヘルメット
五島の香琵琶ジャム厚くモーニング
湖ひかるペース上々春疾風
11/2
目覚ましと皐月の朝の時競ふ
夏浅し米一粒を噛む決意
滑らかや六月の海眺めつつ
祖母の味琵琶ジャムパンの真ん中へ
夏祓小さな螺子の夢大き
11/1
ペダル踏みキャンパス抜けて万緑へ
機嫌良き涼し玄関靴磨き
梅雨晴間心機一転人力機
暑き朝挑戦減量体力
インバーター音電車追い越し夏至の朝

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