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俳句 舞いあがれ2月

2/28
休業へ畳む金網冬に入る
古本屋テーブル濡れて金魚鉢
記者最後ワインまつり如飲み干し
寝心地や置き場所選ぶハンモック
金網の校舎の壁や春の色
2/27
金網の穴から少し春が来て
淘汰さる時代の流れ秋じまひ
使われず夏のパラソル潰れゆく
お好みのかつぶし揺れて冬に入り
冬初め畳む金網棚となり
2/24
秋の昼レーザーカット飛行機産み
定年退職言葉で送る秋の暮
フェスタ混む秋の日曜町工場
秋爽螺子名人螺子を締め
模型組みフェスタを祝ふ秋の宵
2/23
奇遇なりあいの風乗りスワン号
夏浅しスクラム堅し町工場
新しき夏の企画の古本屋
若夏の短歌教室子ら集ふ
オープンファクトリー初夏の試しのもの作り
2/22
あたたかし塀の中より叩く音
二代目の集めど来ない新社員
自分だけ体験うたに春休み
花衣身の丈知らず素寒貧
スワン号出会い再び春の事
2/21
年一夜百年後にも歌読まれ
新婚の冷めてもおでん熱々で
溜む疲れぎっくり腰や年惜しむ
冬来るブログの数字少しずつ
騒音の設備投資や鐘氷る
2/20
鈴鳴らし結婚報告秋の朝
秋麗パイロット宴へ遠路
披露宴五島の秋や留守となり
秋の宵黄色袋の引き出物
秋の星父に報告裏通り
2/17
明易やマグマに蓋し去るか君
寒昴一人のための書けぬ歌
梅雨あがる門扉閉め詠む私歌
梅雨の月夜の公園きみのゐて
七夕や告白せずの永き恋
2/16
テーマ決めブログ開設土用入
夏始朝刊に載り詠む一首
額の歌緑のスタンド灯す朱夏
ねじ込めた気持書き込み聖五月
我が儘に恋に生きろや母の夏
2/15
夏始朝刊に載り女子社員
十人が一杯飲めば梅雨あけて
夏めくや豚玉二枚持ち帰り
梅雨明や歌の心読めぬ心
七夕や窓越しの友とある距離
2/14
君のため神業駆使て苺摘む
白い飯白い茶碗や草靑む
葫や好きと好かれる使い分け
噓見抜く目力一気生ビール
君がため殻やぶりたる相聞歌

2/13
秋の朝忙しさ抑え紅をさす
菊月や一首したため絵を贈り
歯切れ良き記者質問の秋日和
ネールより指の汚れも秋の空
秋の宵十首のはじめ本歌取り
2/10
古書店主原稿用紙埋めて秋
秋の夜迫られて十句の投句
植う椿一年一ミリだけ伸ぶ
告白や友でなくなる秋初め
物産展秋の五島へ帰る前
2/9
古本屋短歌持ち込み読む小春
古書店や小銭じゃらじゃら子らの秋
心中を見せてこの人櫨の實はぜ
障子洗ふばらもん凧が鴨居かな
牡蠣剥くや物産展の前夜祭
2/8
父の肉大きなカレー猪子様
初冬や茶店で返す借りた服
古本屋ワイン色した葡萄ゼリー
冬来る五島のばばのスマホ顔
冬の書肆訪ね来る女史歌集見せ
2/7
ずぶ濡れて公園の芝冬の雨
呼びかけの声よ届けと浅き冬
終わりない終わったことを鰤起し
仏前の沈黙長き冬最中
冬深む父のノートの涙跡
2/6
信じても息子の疑惑秋の暮
秋の宵テレビ釘付けお好み屋
秋の雨工場の前記者見張り
古書店や二人静に秋時雨
身を攻めて倒る路地裏秋黴雨
        (あきついり)
2/3
古本屋たまたま出会ふ冬初め
冬浅し五島の海の釣りフェスタ
ちり鍋や鯛の魚拓の乾くまで
島を売る船盛ばえり秋の宿
インサイダー疑惑はねたし小夜時雨
2/2
待ちわびて五島の春の釣りフェスタ
夏暖簾父の事云ふ父の友
種蒔きぬちさき如雨露やちさき庭
古本屋趣味ゾーン待ち夏めく日
一人負けぶららこの色夜目に映え
2/1
秋の雲父母説得と永遠を説き
湯呑拭く愛逢月の古書店主
爽節や定期注文けふも鳴り
秋初め助ける目線指輪みて
さやけしや今の幸せらしく生き

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