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【絵本紹介】大人にも子どもにもオススメしたい「きみの行く道」

「きみの行く道」作・絵:ドクター・スース 訳:伊藤比呂美 河出書房新書

「おめでとう。
今日という日は、きみのためにある。
外の世界に向かって
きみは、いま、出ていこうとしてるんです。」
(本文より)

この冒頭から始まる「きみの行く道」は
子どもはもちろん、大人にも読んでほしい
人生のヒントが詰まった絵本です。

人生において道に迷ったり悩んだりすること、
たくさんありますよね
大人になってからも
ましてや子どもにとっては
これから迷いや悩みの連続です
つまづくこともあると思います

その迷いに答えは見つかるでしょうか
導いてくれる人はいるでしょうか
寄り添ってくれる人はいるでしょうか

もし幸いにもいたとして・・

その答えや導きは

誰のものでしょうか?
それは自分の道でしょうか?


「きみの行く道」の作者である「ドクター・スース」は
日本では知らない人も多いかもしれませんが、

「英語の文化におけるドクター・スースといったら、
誰でも知ってる現代のマザー・グース」
(訳者あとがきより)

と言われるほど海外では有名な著者です。

さらに訳者あとがきには
「彼の存在を日本語の文化に例えてみれば、
谷川俊太郎から現代詩の厳しさをけずり取り、
まどみちお的なのどかさを加え、
松田道雄のやさしい権威をつけ加えたような、
そんな感じでしょうか」
とあります。

そんな彼が86歳の時に発表したこの絵本には

人生におけるまさに
「きみの行く道」が示されています。
他の誰の道でもない
「きみの行く道」です。

とはいっても、
絵本の中で描かれているのは
はっきりくっきりとしたレールなんかではなく、
どちらかというと、
途方に暮れてしまいそうな
そんな情景ばかり。

どこの街ともどこの国ともわからない景色
何者かわからない格好をした「きみ」
みたこともない建物や生き物たち・・

絵本の中でしかみることがないであろうそんな奇妙なシーンにも
なぜか、自分を重ね合わせてしまうのです。

子どもも大人ほど具体的ではなくても
これから歩んでいく未来を重ねて想像するのではないでしょうか

そしてそこに添えられた
ドクター・スースの言葉に
ヒントがある

「きみの行く道」のヒントが

重ね合わせた自分に贈られる
ユーモラスな言葉は
ただ単に「頑張れ!人生はすばらしい!」というような
ありきたりなものではなくて

導いてくれるようで
ちょっと突き放されたようで
寄り添ってくれるようで・・

大人にとっては今必要で
子どもにとってはこれから必要になる

要するに
全ての人に大切な
「きみの行く道」のヒントが詰まった絵本。

はじめ、子どもにはまだ難しいかなあ、
と思いながらも
意味を理解することが難しいからこそ
「感じるコト」
がたくさん詰まっているはず!

と実際に読み聞かせしてみて確信。
どこまで心に留まるかはわからないけれど、
読んでいる間には、言葉やシーンが
ちゃんと心に引っかかってる!

大人も子どもも、全ての人へ
ドクター・スースが贈る
ミリオンセラーはオススメです!


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