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【絵本紹介】泣けてきちゃう絵本「ずーっと ずっと だいすきだよ」

ずーっとずっと1

泣けてきちゃう絵本
「ずーっと ずっと だいすきだよ」絵・文 ハンス・ウィルヘルム 訳・久山太市 出版社・評論社

ぼくと家族とエルフィーという犬のお話です。
お話の展開としてはごく普通の家族と犬の暮らしを描いているのだけれど
ぼく目線で綴られている文がいいんです。


ぼくと家族は同じようにエルフィーが好き
みんな同じようにエルフィーをかわいがっています。
エルフィーも楽しく遊ぶし、悪さもするけど、みんなにかわいがられています。
ごく普通の犬のいる家族。ドラマチックな出来事は何もない。
エルフィーが年をとっていくこともごく普通のこと。

でも、主人公であるぼくと家族の違いは
「だいすきだよ」といってやったかどうか
とぼくは言うのです。

「だいすきだよ」といってやったかどうか。

老いていくエルフィー
逆らえない時間の流れを子どものぼくは素直に受け入れます
争うことなく、
「ずーっと、だいすきだよ」と言い続けます。


このお話が泣けてくるのは後半。
「ずーっと、だいすきだよ」と言ってやったぼくが、
言わなかった家族よりもいい出来事があったわけではない(描かれていない)。

よくある物語だと、
「目に見えた成果」と言うのが主人公に訪れがち。
例えば、人知れずいい行い(このお話だと「ずーっと、だいすきだよ」と言いつづけたこと)をしていた主人公が報われて
「ご褒美をもらう」や、「みんなから誉められる」など
「いいこと」がやってくる。

でも、この絵本のぼくにはありがちなソレはやってきません。
他のみんなと同じように悲しい出来事をがやってきて受け入れます。

それでもぼくは
「ずーっと、だいすきだよ」と言ってやってよかったと言っています。
そして最後。。。


「ずーっと、だいすきだよ」なんて言葉は純粋すぎて
なかなか大人は言えないように思います。
子どもだからこそ言える。
そんな言葉の中に、何か大切な意味を感じさせます。

この絵本が伝えていることを一番シンプルな言葉にすると
「伝えることは大切」と言うことなのかも知れません。
でも絵本を読んでみて感じる「何か」はそんな一言では言い表せない、
なんだかあたたかいとっても大切なもののような気がします。
それを感じると、涙がブワーっと出てくる。。。

子どもの心を育てるのに絵本が良いと言われます。
そのことを改めて再確認させられました。

子どもにぜひ読んでほしい絵本です。
心にあたたかいものがきっと生まれると思います。

ずーっとずっと2


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