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ロー入試関連

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#再現答案

慶應ロー2023年度民訴再現

※必ず出題趣旨を確認すること

慶應ロー2023年度民訴再現

1問1について

(1)裁判所は、裁判拒否防止の観点から、ある事実が真偽不明の場合、その事実を要件とする自己に有利な法律効果の発生が認められない不利益(証明責任)を一方当事者に負わせて判決をしなければならない。そこで、原告・被告のいずれが証明責任を負うか、証明責任の分配責任が問題となる。

(2)この点について、基準としての明確性から

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慶應ロー2023年度刑訴再現

慶應ロー2023年度刑訴再現

1設問1(1)

公訴事実の記載において訴因の明示が求められる理由は、裁判所に対し審判対象を限定し、被告人の防御の利益を確保するためである。

2設問1(2)

(1)Vに対する強制性交等致死にかかる部分が訴因を明示したと言えるか。

(2)前述のとおり、公訴事実の記載において訴因の明示が求められる理由は、裁判所に対し審判対象を限定し、被告人の防御の利益を確保するた

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慶應ロー2023年商法再現

※必ず出題趣旨を確認すること

慶應ロー2023年商法再現

1Dは甲社の立場から、乙社に対し、本件契約は事業譲渡(467条1項)であり、株式総会の特別決議(309条2項)を経ていないため無効であると主張することが考えられる。かかる主張は認められるか。

2まず、本件契約は事業譲渡にあたるか。事業譲渡の意義が問題となる。

(1)この点について、法解釈の統一性を図り、取引安全を確保すべく、21条以

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慶應ロー2023年度民法再現

慶應ロー2023年度民法再現

※必ず出題趣旨を確認すること

第1設問1

1AのBに対する請求

(1)AはBとの間で甲契約を締結しており、甲契約はαの中のブリ100尾を50万円で販売することを内容とする売買契約(555条)である。そこで、AはBに対し、売買契約に基づく代金支払請求をすることが考えられる。

(2)これに対し、Bは536条1条により代金の支払いを拒絶できると反論すると考えられる

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慶應ロー2023年度刑法再現

※必ず出題趣旨を確認すること。

慶應ロー2023年度刑法再現

第1問題1

1XがAの頸部をロープで締めた行為に、殺人罪(199条)が成立するか。

(1)まず、ロープで人の呼吸機能にとって重要な頸部を締める行為は、死亡結果発生の現実的危険性を有し、殺人罪の実行行為といえる。

(2)次に、上記行為とAの死亡結果との間には、XがAを林の中に放置するという行為が介在しているが、因果関係は認められ

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慶應ロー2023年度憲法再現

※必ず出題趣旨を確認すること

憲法

1Xは、供託金制度は立候補の自由につき財産の有無により区別しているため、かかる区別は平等原則を定める14条1項に反し、違憲であると主張することが考えられる。Xの主張は認められるか、以下検討する。

2まず、法適用が平等であっても法内容が平等でなければ、個人の尊厳(13条)が無意味に帰するおそれがあるため、「法の下」の平等だけでなく、法内容の平等をも意味すると

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