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青年期(前期)の育児教育

今回は育児教育の中の青年期前期(概ね中学生の時期)の内容について詳しく書いていきます。青年期前期の育児教育のポイントは「自分で考える」です。

家庭で出来る青年期(前期)の育児教育


中学生になると反抗期を迎えます。親の言うことを聞かないということも多いでしょう。そんな状況で育児教育について何が出来るのか。正直に申し上げると、反抗期の時期に親が子どもに何かを教えるというのは難しいものがありますし、無理やり教えるべきでもありません。

ではどうすればよいのでしょうか。中学生は多感な時期です。友達やインターネットから手に入れた知識など、周りの影響を大きく受けます。

そんな時期に親として行うべき大切なこと、それは以下の3つです。

・子どもを子どもと扱わないこと
・親として見守ること
・子どもに沢山の価値観に触れてもらうこと

1つ目の「子どもを子どもと扱わないこと」は親だからこそ難しいことだと思います。中学生は物事を自分で考え、善悪を自分で判断し、自分で決定することができるようになる時期です。

まだまだ子どもだと思ってしまいますが、子どもなりの考えというものがあります。まずは真摯に耳を傾けることから始めましょう。

子どもから何か話があるというときは話を最後まで聞き、否定しないこと。今までは親の言うことを何でも受け入れてくれたかもしれませんが、中学生にもなるとそうでもありません。

自分が話したことを否定されるというのは誰にとっても嬉しいことではありません。いつまでも子ども扱いするということは大人になっていく子どもの成長を妨げる要因にもなります。

第三者的な視点に立ち、自分の我が子に対する対応が適切か、一度考えていただければと思います。

一方で2つ目の「親として見守ること」も大切です。1つ目と矛盾するようですが、子どもはまだまだ成長段階です。色んなことを間違えながら少しずつ大人になっていきます。

小学生までは手取り足取り教えることが多いと思いますが、中学生になったのであれば少しずつ自分で考える機会を増やしていくべきです。

困ったら相談するよう伝えるとともに、取り返しのつかない失敗をしないようなフォローをする。そんな姿勢が好ましいでしょう。見守ってくれる親でありながら気軽に相談できる友人でもある。そんな関係性を築いていけるといいと思います。

そして3つ目の「子どもに沢山の価値観に触れてもらうこと」も忘れてはいけません。ここで言う価値観は留学とか、国際交流とかそんな特別な体験をさせる必要はありません。自分と異なる意見を持つ人と話し、考えるということです。

ここでは育児教育の観点から、家庭の話に限定してお話しします。

子どもにとっては自分の家が中心で、自分の家=社会一般的な家庭だと思っている子どもは多いです。しかし、実際は家庭によって色々なルールや決まりがあって、家庭ごとにいいところも悪いところもあります。

自分で色んなことを考え、判断するようになる中学生の時期というのは今まで積み重ねてきた自分の価値観を見つめ直す時期でもあります。

例えば夫婦協力して育児してきた家庭の子が、中学生になって母親(父親)のみが育児している家庭の話を聞いたときにどう思うでしょうか。

何が正解というのはありません。自分が知っている常識とは違う話を聞いて、自分は将来どんな家庭を築くのかを考えることが大切です。ですから、もし子どもから「今日こんな話を聞いた」と言われたら、どう思ったか、そして自分が親になったらどうしたいかを聞いてみましょう。

聞かれることで考えるきっかけになります。沢山の価値観に触れても考えなければ意味がありません。親はその考えるためのフォローをしてあげましょう。

中学生にもなると家庭で出来る育児教育は少なくなってきますが、以上の3つを実践していただければと思います。

地域社会が担うべき青年期(前期)の育児教育

子どもが大きくなるにつれ、育児教育における地域社会の役割も大きくなります。少しずつ大人になりつつある子ども達にいかに育児を他人事ではなく自分事として考えてもらうかが大切です。

中学生に向けた育児教育の内容としては以下のようなものが挙げられます。

・調乳体験(ミルク作り)
・離乳食作り
・パパママ体験談

以上は一例ですが、総じて少年期よりも実践的な内容になります。例えばパパママ体験談では、単に話を聞くだけに留まらず、何が楽しくて何が辛いのかを具体的に考えたり、一日のタイムスケジュールを基に何が大変なのかを考えたりすることで、育児を身近に感じることが出来るはずです。

離乳食作りでは、単に作ることを目的としてもよいですが、環境を整えられるのであれば、中学生が作った離乳食を実際に乳児に提供するという離乳食レストランという形も考えられます。
この場合はアレルギー対応にも十分留意しなければなりませんので管理栄養士等を講師として招くのがよろしいかと思います。

しかしながら、これらの企画を行う前に気を付けなければならない点があります。それはいかに子どもの興味を惹く企画に出来るかです。小学生までは親主導で企画に参加させることが出来ますが、中学生にもなるとなかなかそうはいきません。

中学生のうちから育児に興味がある子は多くありませんので、育児関連の企画を中学生向けに真面目にやっても参加者が集まりにくいというのが実情です。

ですから、中学生向けに企画を行う場合は、「○○✕育児」というスタイルで行うのがよいでしょう。○○の部分には中学生が好むようなもの、例えばゲームやファッション、スポーツ、音楽などが入ります。

地域のイベントに参加するのが一番手っ取り早いと思います。

まずは子どもの興味を惹くこと。そして友達同士で参加しやすい企画にすること。育児について教えたい、伝えたいと思っても人が集まらなければ意味がありません。

もし、育児についてのみの企画を行う場合は学校の協力が不可欠です。学校の特別授業(課外授業)という形であれば子どもの興味のあるなしに関わらず企画を行うことが出来ます。実施するまでの調整は大変ですが、効果は大きいと考えます。

まとめ

いかがだったでしょうか。青年期(前期)は親への反抗を見せる一方でたくさんの価値観に出会い、成長していく時期です。

家庭ではあくまで子どもの成長をサポートする形での対応が必要となります。親自身が主導して何かを伝えてきた少年期までとは一線を画します。

それはつまり親としても変化が求められるということです。子どもの成長に合わせて親としても成長していかなければいけません。

また、地域社会としては子どもが参加したいと思えるような子ども目線の企画が必要になります。子どもが集まる地域のイベントなどを活用するか、学校に協力をお願いしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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