見出し画像

育児教育の概要について

今回は育児教育というものが何を目的としてどんなことをやるものなのかについて記載していきます。

発達に応じた内容

育児教育は子どもの年齢(子どもの発達状態)に応じて内容が変わっていきます。大きく分けてこれから説明する3つに区分されます。

まずは幼児期。主に3歳頃から小学校就学前の時期を指します。幼児期の子どもはごっこ遊びを通して色んな事を学んでいきます。したがって、この時期は育児について教えるというよりも遊びの中で育児に触れていくという時期になります。

次に少年期。主に小学生の時期を指します。小学生になると自分で考える力が少しずつ発達していきます。したがって、この時期は主に育児に関する体験や経験を重ねることで育児に対する価値観を身に付けていく時期になります。

最後に青年期。主に中学生から高校生の時期を指します。中学生になると、周りとの価値観との違いに気付き始めます。したがって、この頃から同年代の子達と育児に関する議論を行うことで多種多様な価値観に触れる時期になります。また、少年期よりも実践的な体験や学習を行うことで育児に対する向き合い方を学んでいきます。

この3つが育児教育の大枠になります。もちろん、育児教育を受けてこなかった少年期や青年期の子に対して幼児期や少年期の内容を実施することも効果があります。それぞれの子どもに合った教育を行うことが重要です。

育児教育において目指すもの

育児教育の最終的な目標は男女が平等に育児する世の中を作ることです。その目標を達成するために、育児教育では以下の内容を重要視しています。

・育児に対する向き合い方を身に付けること
・育児や家事に関する知識・経験を深めること
・周りの育児者に対する理解を深めること

1つ目の項目である「育児に対する向き合い方を身に付けること」とは、男性においては育児に対する主体性を身に付けることを指します。女性においては男女が協力して育児を行う意識を身に付けることを指します。男性が自分自身も育児の主体であるということを学び、女性が自分だけが育児の主体ではないということを学ぶことで、夫婦で協力して育児を行うことができるようになるのではないかと考えています。

2つ目の項目である「育児や家事に関する知識・経験を深めること」とは、育児や家事の正解を学ぶものではありません。育児や家事のやり方は夫婦で話し合うことで決まっていくものですから、あくまで方法論としてたくさんの知識や経験を蓄えることで将来に役立てるということを目的としています。

3つ目の項目である「周りの育児者に対する理解を深めること」とは、育児したことはなくとも、育児が非常に大変だということを知り、育児者に対して誠意のある対応ができるようになることです。育児したことがある人だけが育児に対する理解がある社会ではなく、育児したことがない人でも育児に対する理解がある社会を目指していきます。

家庭における育児教育の役割

育児教育において一番重要なのは家庭の環境です。現在のところ、家庭外で育児を学ぶ機会はほとんどありませんから、家庭での両親の姿が子どもの価値観に影響を与えるためです。例えば、父親が積極的に育児している家庭と父親が全く育児しない家庭では子どもの価値観に差が生じるのも当然だと思いませんか?

子どもは親の背中を見て育ちます。そして自分が親からどのように育てられたかが自分にとっての育児の価値観に繋がります。夫婦が協力して子どもと接し、育てていくことで、子どもは育児に対する向き合い方を自然に学んでいくことが出来るのです。

しかし、夫婦で育児がしたくても現実的に難しいという家庭もあるかと思います。そのような家庭については後述する地域社会における育児教育などで多種多様な価値観に触れることで育児への向き合い方を身に付けることができます。もちろん家庭でできる育児教育もあります。その具体的な内容については、幼児期、少年期、青年期のそれぞれの育児教育の記事で記載させていただく予定です。

地域社会における育児教育の役割

育児教育は地方自治体やNPO法人等が主体となって事業を展開していくべきだと考えています。なぜなら家庭でできる育児教育には限界があるからです。家事については家庭でもある程度教えることは可能だと思いますが、育児については弟や妹がいるなどの条件が整っていない限り教えることは難しいでしょう。その場合でも、一番下の子どもに対してどのようにアプローチするのかは考えなければなりません。

地域社会に求められるのは、そういった家族という枠を超えて育児というものに触れられる場所や環境を提供することです。例えば学校で育児について考える授業を行うなどが考えられます。最近は命の授業など、出産や生命の尊さを学ぶ機会は少しずつ増えてきていますが、子どもが生まれた後のこと(育児)について学ぶ機会はまだほとんどありません。

地域社会として育児について学ぶ機会を増やしていくことで、出生率の増加や育児しやすい環境が整っていくことでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?