ピンイン教本-9 バイオリンの中国語、ピアノの日本語、他ピンインの構図
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ピンイン教本-9 バイオリンの中国語、ピアノの日本語、他ピンインの構図

@ee!chai

空港の中国語アナウンスはメロディーが流れているようなイメージがありませんか?中国語の本質ってあれではないかと思います。日本語のアナウンスも優しく、滑らかではあっても、メロディアスだというイメージではないですね。

それである日本人の女性講師が中国語はバイオリン、日本語はピアノに例えていました。四声をバイオリンのように「滑らかに」という提案ですが、中国語らしさの特徴をいかにも女子らしい感性で表現しています。


中国語は声母(子音)と介母と韻母(この二つで一つの母音になる)ので、発音も日本語のように子音母音が一体化せずに、子音と母音でスタートの口の構えから母音の発音へと瞬時に変化し「滑らか」になります。子音と母音が手を取り合っているペアーのようで、それに声調を組み合わせるのでダンスの動きのようなメロディアスな言語になっていると解釈しています。

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日本語は母音の口の開きがあって、例えば日本語五十音では最初の行は母音「あいうえお」それから子音が付いて「かきくけこ/さしすせそ」と発声していきますが、母音の口の開きが土台にあって、それに子音が乗って発音sうるため、土台の母音は子音の「か」と一体化しています。
※ 声門閉鎖は次の「教-10」で説明しています。

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逆に中国語では子音優先ですから、先に子音の構え(舌の使い方を主にした子音の音をだすフォーム)を作って、瞬時に続く母音へフォームを変化させます。ここが中国語の滑らかなメロディアスの特性になり、他方日本語は母音の口の変化もなく、同じメロデイーでもタンタンというピアノのイメージになります。日本語は「拍」というリズム上の単位「モーラ(mora)」が主になる言語だからです。

中国語と似ている面と違いがあるのは、日本語の成り立ちが中国と深い関係があるからです。

子音と母音の組み合わせ方が似ているのはやはり中国語に由来しているようです。そして五十音の構成はサンスクリット語、古代インドの「梵字」によるようです。中国に渡った日本人の当時の僧侶たちが仏教の研究のために梵字を読み、そこでは、子音が「あかさたなはまやらわ」、母音が「あいうえお」の順に並べられていたため、日本語にもそれを応用した、ということなのです。

それが中国語ではピンイン、日本語ではローマ字というアルファベット表記を使うようになって、性格(特徴)が違うけれども兄弟のような二つの言語を同一の音声符号の表記で比較できるようになり、理解が深まったわけです。興味ぶかいですね。

これでようやくこの教本の1にもつながりました。

このように日本語とはイメージ或いは印象がずいぶん違う言語だと理解していると、学習がしやすいと思います。

今まで声調を学び、子音・母音の音声としての動きも学んできました。どう練習すべきがつかめてきたと思います。ここで音節の構造も学び、ピンインの全体の構図を押さえておきましょう。中国語では音節に介音が登場します。

音節の構造図に加え音節表も載せます。でも今日の内容は、すこし頭が痛くなるかもしれません。最後まで読んでいただければ、「なーんだそういうこと」と目から鱗になると思います。

発音関係のテキストでよく出てくる音節ですが、下記の定義で正確な意味を確認しておきましょう。

音節の定義: 出典、『ウィキペディア(Wikipedia)』

音節(おんせつ)またはシラブル(英: syllable)は、連続する言語音を区切る分節単位の一種である。典型的には、1個の母音を中心に、その母音単独で、あるいはその母音の前後に1個または複数個の子音を伴って構成する音声(群)で、音声の聞こえの一種のまとまりをいう。

中国語などの声調言語(トーン言語)では、母音と子音の組合せに、さらに母音の音程の高低変化による声調を加えて一つの音節を構成する。

日本語の場合、音節とは区切り方が必ずしも一致しない「モーラ」(拍)という分節単位が重要である。

https://editor.note.com/notes/n5660a53d79fa/edit/

母音の発音が重要な理由、声調符号が母音に付くから。ではどの母音に付くのか?

会話は音を聞いて意味を取ってやりとりします。

音読は口で音声を出しながら意味をとるトレーニングですが、自転車に補助輪があると乗り易いように、漢字という補助輪を見ながら行いますと、意味も取り易いですね。ピンインが付いていれば♪付のようで便利です。

そして最終目標は、「音声と意味が補助輪の文字やピンインなしで結びつくようにする」ことです。

意味を取るうえで、中国語では声調が重要ですから、声調符号のついた母音は声調ごときちんと、聞こえなければなりません。

母音の構造を理解して、同時に声調がどこに付くかも理解しましょう!

日本語の母音・子音の構造は単純です。母音が「あ・い・う・・・」の単母音だけだからです。中国語の母音の構造は複雑です。発音の専門書をみますと、音節=声母(子音)+介母+韻母/声調だそうです。つまり母音は介母と呼ばれる介音と韻母の組み合わせで成り立ちます。

音節の構図

音声の全体構造図

中国語の発音p23:日下恒夫著 アルク

声母:21 介母:3 韻母:12 その他:2

その他の2は※(-i)(er)で、母音の変わり者と表現されていました。zhのそり舌音やz・c・sの下歯音につく「-i」でこれは「i」の口の形は作りますが本来の「i」の発音にはなっていません。「er 」も声母の後ろの母音の位置に置かれていますが、直接声母と結合しない音ですので、正規の韻母の数には含まれないようです。

日本で出版される中国語の本では、この介母を区別せずに、介母+韻母を一括りにして母音にしています。

中国語の発音動画で中国人ユーチュ―バーは発音を吹き込む際に、声母(子音)+介音+韻母として、ピンインを分解してから、連結させる方法で発音します。介音(i ・u・ ü)韻母とは別に分離して捉えています。

介音を取り上げた動画がありますので、ご紹介します。

介音について

介母は介音と言います。仲介の介ですから、声母と韻母を仲介するという意味があるようです。i ・u・ ü の3っつです。

とても分かり易い動画をご紹介します。五林中国語教室、林松涛、謝辰先生の動画です。

林先生は中国人ですから介音と韻母を区別して取り上げ、韻母を母音と言っています。これが本来のピンインの構造です。日本の中国語テキストではi ・u・ ü介音は韻母のなかの単母音a・o・e一緒にして、基本母音と呼んでいます。つまり介音i ・u・ ü+韻母の単母音a・o・e基本母音

声調符号がどの母音に付くか?  

中国語の母音の構造は整理しますと、次のようになります。              ① 介音は i ・u・ ü                           ② 韻母は                              ②ー1 単母音  a・o・e                           ② 2 二重母音  ai ・ei・ ao・ ou                             ②ー3 鼻母音  an・ en ・ang ・eng ・ong             これで全部です。

声調符号は 介音と単母音、両方で基本母音と呼びますが、この基本母音に付きます。

単母音はアスクの中国語発音完全教本ではp16・20で、①口を開ける音 a・o・e  ②口をあまり開けない音 i ・u・ ü として記述しています。 

ちなみに中国の小学校の教科書では次のようになっていました。❶が口を開ける母音。❷が口をあまり開けない母音ですね。

さらにee!chaiの講師に言わせると基本母音の中でも優先順位があるとのことです。

原則はその音節の中で口の開け方が最も大きい母音の上に付けるそうです。そうしますと、優先順位は次のようになります。

 1位↬a ➭ 2位 ↬ o  又は e ( oとeは一音節では同時に現れない)  ➭3位↬  i ・u  (同時に表れたときは後ろの母音に付ける)

この優先順位を整理をすると、声調記号を付けるルールはこうなります。

❶ 音節の中に母音が一つの時は、母音の上に!                      ❷ 音節が二つ以上あるときは次のように                        
⑴ 口の開け方の原則に従い"a"があるときは"a" の上に      ⑵  々         "a"がないときはo" か "e" の上に   
❸  "i""u"  が同時に並んで表れたとき(iu/ui)は後ろの母音に付ける。

ピンインを見たら、そのアルファベットに従って口のフォームをつくろう!

このピンイン教本では再三「口の構え」と言いましたが、ピンインは動きのあるフォームを表す記号でもあるといえます。

特に母音は「口の開き方」、子音は「舌の使い方、息の出し方」になります。ピンインは口や舌や息の形のフォームを表していますから、ピンイン通りにフォームを作るということが重要です。

そして母音の発音は複数の母音からなる複合母音でも一つ一つの母音をフォームとして、滑らかにすべての母音をきちんと発音しなければなりません。つながっているからと、いい加減に崩してはいけないのです。

どんなに早口でもフォームを崩してはいけないのです。まるで運動選手のようなトレーニングが必要なのです。

ですから小学校で、みんなで大きな声を出して、子音と母音を連結した練習を一生懸命行うのです。ということは私たち外国人もピンインをマスターして発音をよくしようとしたいなら、同じようなピンインの音節のトレーニングは絶対に必要です。

加えて文章になると、単語の発音が狂いますから、音読の練習も必要です。音読では中国語特有のリズムが重要になります。このシリーズのNo3で紹介した耳慣らし練習(リズムに乗ってみるみる身に付く中国語の発音。アスク出版)のような練習もできたら行いたいものです。このテキストは「教-3」で紹介しました。
https://editor.note.com/notes/n118cd3efc097/edit/

ちなみにリズムが、自然な発音に大きく関係することは日本語の例から理解できます。

日本語の特徴として、1文字=1拍 例えば「おかあさん」は「お/か/あ/さ/ん」の5拍になります。補足ですが日本語には「日本語のリズム」があって実際の自然な日本語のリズムとしては「2拍でひとまとまり」というルールも関係します。例えば「せんせい」は、「せん|せい」ですね。それでリズムとしては1拍と2拍で組みさわせるようです。ですから「あり|が|とう|ご|ざい|ます」のリズムで口に出せば自然な日本語になるようです。詳しくは次のWEBサイトを参照してください。

中国語にも似たようなルールがあるようです。中国語では2語と3語の組み合わせのようです。下記の五林中国語教室、林松涛、謝辰先生の著書でこのように記述されています。

中国語ネイティブは文法的な区切りより、リズムを優先します。中国語の基本的なリズムは「〇〇|〇〇|〇〇〇」です。
×我/去新宿/买东西   〇我去/新宿/买东西 

中国語が3週間で身に付く音読(明日香出版)著者、林松涛、謝辰 

リズムで読む練習、ぜひ行いましょう!

付録がee!chaiの音節表です。ほかにはないオリジナル性は声調の付く基本母音でグループ分けした点にあります。とくに介音で分けたグループには、介音が付くので三重母音になるのが分かり易いと思います。

なお音節表では、升目にあたる箇所で記述してあるものは、全部言葉として使用する音声ですので、ピンインの縦読み、横読みのトレーニングをお勧めします。最後にインターネット上で音声付きでこの表と同形式のものがありますので、その音声について発音練習できます。」

縦読み、韻母 a の例 ➤ ba/pa/ma/fa/da/ta/na‥‥za/ca/sa.                 横読み、唇音 b の例 ➤ba/bo/bai/bei/bao・・・bang/beng.

ee!chaiの音節表

音節とは母音と子音で構成される一区切りの言葉です。ですので音節表は縦軸が子音、横軸が母音で、子音と母音の交わる升目に、子音+母音の一区切りを単位とする単語が記入されています。

ee!chaiでは音節表を横軸の韻母を3つのグループに分けています。

1 グループ ➤  a・o・e    で始まる韻母のグループ   

音節表1グループ

2 グループ ➤   i で始まる韻母のグループ 

音節表2グループ

3 グループ ➤ u で始まる韻母  

4 グループ ➤  ü で始まる韻母   

音節表3グループ

u とüのグループでの発音上の注意点

InkedInkedu と ü_LI

舌面音j・q・xでは母音はuとüの母音は両立しませんから母音の標記がuになっていますが、これはüです。ですから「ju」という表記でも音は「u」ではありません

しかし舌尖音の子音nとlは母音に「u」と「ü」の両方を取りますから、「ü」の方では表記は変化していません。  例➤  路/Lù 绿/ Lǜ     
ですので発音で間違いはないと思いますが、「u」へ表記が変化している方は要注意です。

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ピンクのラインで囲った上記の舌面音と巻舌音(そり舌音)の母音のピンインは「u/uan/un」で同じ表記ですが、舌面音は「ü/üan/ün」です。同じように「u」の音で発音してしまいますと、正確な発音になりませんので要注意です!

この音声付きピンイン表は、上記のee!chaiの表と同じ分類で、介音別で韻母をグループ分けしています。ですので対比して使えます。音声つきですから、上記の注意すべきピンインの箇所をクリックして聞き比べ、そして自分でも言い比べして練習に使ってみてください。

なお、縦読み・横読みトレーニングの模範サンプルとして、シャドーイング練習に使えます!




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感謝です。パンダとカタツムリ、中国語、着実に!のイメージです。
@ee!chai
第二言語習得法の中国語教室です。インプットは自分で、アウトプットは講師を相手に教室で!インプットで必要な知識は良いテキストを、技能面の補助学習には動画教材を紹介し、勧めています。学習インプットと教室のアウトプットを結ぶコーチ的な指導教材と語り合う場も必要です。Noteで実験中!