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(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる

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たこ焼き屋が舞台の、ご飯&あやかし&人情ものの連載小説です。お楽しみいただけましたら嬉しいです( ̄∇ ̄*) ★創作大賞お仕事小説部門参加中 ---------- 大阪市南部のあび… もっと読む
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2023年6月の記事一覧

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<2章第6話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 2章 渚沙と竹子の出会い 第6話 時速50キロ  たこ焼きと鉄板焼きを満喫した竹ちゃんは、「さて」と床に降りた。 「竹子はそろそろ帰るカピ。そうカピな、また来週の水曜日に来て良いカピか?」 「もちろんやで。待ってんね。何時ごろがええやろ。またたこ焼き用意する?」 「たこ焼きは絶対カピ。他はお任せするカピ

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<2章第5話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 2章 渚沙と竹子の出会い 第5話 次の約束 「はーい、竹ちゃん、そろそろたこ焼きも焼きあがるで〜。どうやって食べる? お出汁効いてるからそのままか、定番なんはソースとマヨネーズ。ポン酢も美味しいで」  竹ちゃんは口の中の焼肉をごくりと飲み込んで、楽しそうに声を上げた。 「いろいろな味で食べてみたいカピ!」

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<2章第4話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 2章 渚沙と竹子の出会い 第4話 初めての牛肉 「ほな、焼こか」  実は、住居エリアの冷蔵庫の冷凍室には、冷凍したたこ焼きがいくつか入っている。端的に言うと「さかなし」の売れ残りである。  余った分はその日の渚沙の晩ごはんになる。トッピングを工夫したり、グラタンやチャーハン、スープなどにして食べていたのだ

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<2章第3話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 2章 渚沙と竹子の出会い 第3話 竹ちゃんとのふれあい 「ところで、お前の名前は? 竹子は竹子カピ」 「あ、私は坂梨渚沙。よろしくやで」  名を問われ、渚沙は素直に応えた。受け入れてしまえば、妖怪だろうが何だろうが、相手は可愛いカピバラである。  渚沙は妖怪の知識が乏しいので、見た目などで判断するしか無

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<2章第2話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 2章 渚沙と竹子の出会い 第2話 現実を受け入れて (は? カピバラが喋っとる? いやヌートリアか? いやどっちでもええわ! 何やのこれー!)  そう思えるだけ、渚沙はまだ冷静さを保っていたのかも知れない。それでもその場にへなへなとへたり込んでしまった。  するとその動物は渚沙のそばに降りて来た。渚沙は「

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<2章第1話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 2章 渚沙と竹子の出会い 第1話 初対面は劇的に  渚沙がお祖母ちゃんの跡を継ぎ、「たこ焼き屋 さかなし」を経営する様になったころ。今から1年ほど前のことである。 『大仙陵古墳に、野生のカピバラが棲み付いている』  そんな噂がネットなどで囁かれる様になった。  大仙陵古墳は大阪府堺市にある、日本最大規模

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<1章第7話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 1章 弘子おばちゃんの憂鬱 第7話 伝わった思い  渚沙と竹ちゃんの朝ごはんは、炊きたてご飯とご飯のお供、お味噌汁と決まっている。  お米は前日の晩に仕掛けておくのだ。ご飯のお供は佃煮が多い。海苔だったり昆布だったり。お味噌汁の具は日によって違うが、渚沙はお豆腐が好きである。  今朝もふたりはダイニングデ

(連載小説)たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる<1章第6話>

こんにちは。ご覧くださりありがとうございます( ̄∇ ̄*) 少しでもお楽しみいただけましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします! たこ焼き屋カピバラ、妖怪と戯れる 1章 弘子おばちゃんの憂鬱 第6話 家族の幸せは  午前中、戸倉弘子は家事を一通り済ませ、自宅のダイニングで、同居している息子の晶にもらったコピー用紙を前に、頭を抱えていた。  晶のお嫁さん、香苗ちゃんは今パートに出ている。不妊治療を始めると決めた時、それまで積み重ねて来た看護師のキャリアをあっさりと捨て、