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オンデマンドバスに乗ろう~最先端のMaaSが生野にキタ!~

 3月30日から生野区の西部地域と平野区で、大阪メトロによるオンデマンドバスの社会実験が始まっています。

 この文章の結論を先に言うと

「いろいろと文句言いたいのはわかるけれど、とにかく乗ってください!」

……の一言です。この乗り物には、超高齢化社会と持続可能でSDGsな未来に貢献する可能性があるんです。

「敬老パスなら50円で乗れるのに」って言われると辛いですし、そこは政策的な判断が要ります。社会実験でエリアの狭い対象に対し、敬老パスのように税負担を最初からするわけにはいきません。

 ただ、乗ればわかりますが「えっ、コレ、210円でいいの!?」と思ってしまう便利さです。電話予約もできるけれど、できればこの機会に「無理!」と決めつけずにスマホでアプリをダウンロードして「次世代の交通手段」を体感してください。

「とにかく乗って、使って、その上で意見ちょうだい!」

アプリのダウンロードや電話予約の仕方・乗り方はこちらからどうぞ。

さて、ここからは「なぜ生野区にAIオンデマンドバスが!?」の理由と、この社会実験を機に広がる夢について説明します。

なぜ生野区にAIオンデマンドバスが!?

 生野区は超高齢化のまちです。それも、一人暮らしの高齢者率が高い。その理由は交通や住宅事情とも連動しています。木造の密集市街地が広がり、長屋や流通に乗らない空き家が多い。

 大きな土地が空かないので分譲マンションが建ちにくい。24区で唯一、この5年で1部屋も分譲マンションが供給されていないまちです。でも、大阪市内で戸建てが手ごろで、大規模な開発が無かった分、懐かしい街並みが残っています。

 その昭和レトロで路地の多いまちを走る、エヴァ……ナントカ言うアニメの初号機に似たカッコいい車を見てください!これは2号機だけど!

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 これは大阪メトロが大阪市の公募で提案してくれた「AIオンデマンド交通」の社会実験で走らせてくれているオンデマンドバスです。

 路線バスとタクシーの間のようなもので、決められた区域内で予約をすると指定した乗降場所に来てくれます。路線バスなら「時間とバス停とルート」が決まっていますが、オンデマンドバスは「呼んだら指定した乗降場所に来る、途中で乗り合いの人を拾いながら最適なルートで目的地に行く」というものです。

 アプリでの予約方法がわかりやすい3分の動画です。生野区役所の広報チームと企画総務課長が作ってくれました!

社会実験が失敗すれば、二度と生野にオンデマンドバスは走らない

 区長になって4年間、今後ますます高齢化が進み移動の課題が出てくることを懸念していました。すでに、高齢者の自転車事故率は府下ワーストに近い。細街路が多く、また全体に自転車マナーがよくないため事故が減りません。こんなルールを決めて、担当職員が地域でコツコツ啓発をしてくれています。

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「自転車は車道側、歩く人は建物側」。こうした移動を啓発によって個人や社会にとってよりよい状態にすることを「モビリティ・マネジメント」と言います。区長として、「自転車に乗れない高齢者が移動しづらくなる未来」に対し打てる手を打ち続けようと、着任当初から地域交通の勉強会を開いてきました。

 《2018年の地域交通勉強会の様子。この時は神戸市の担当の方に住民主導のコミュニティバスの事例を紹介していただきました》

 行政が何でもかんでもサービスとして提供する時代が終わっていることは、民間から来たのでよくわかっています。

 セーフティネットとしての優先順位が高いものと、将来的に税収を生むものへの財源の配分を考える必要があります。

 過去の記事で「都市経営」と書いただけで叩かれましたが、税収を増やす努力をしなければ、福祉制度やインフラすら維持できません。増税せずに税収を増やす上での「経営感覚」は必須です。

 今回の社会実験は、行政では投資できる規模のものではありません。路線バスを走らせる試算をしたこともありますが、一行政区の予算では持続できないものでした。そこに「高齢者の移動支援」と「MaaS」の可能性を探るための社会実験が奇跡のように、生野区にやってきました。

 現在、生野区には地下鉄の需要を見込むためのBRT(Bus Rapid Transit)「いまざとライナー」と、このオンデマンドバスの社会実験が行われています。莫大なコストをかけた公共交通から、世界の流れは「複数の交通手段を用意し、ITを活用して自在に移動をカスタマイズできる未来」に向かっています。

 国交省の作った「2040年の道路の景色」です。8分ほどの動画ですのでぜひ!この流れの中に、生野区のオンデマンドバスがあると考えてください。すごい!最先端!

 ただし、社会実験というのは成果が出なければ、そこで終わりです。できるだけ持続可能になるよう、生野区の交通の選択肢を減らさないよう、いまざとライナーもオンデマンドバスもぜひ乗ってほしいのです。

MaaSの入り口を体験してみよう!

 オンデマンドバスは電話予約もできます。できますが、できればスマホのアプリから予約できるようになると、もっと便利さを実感できます。

 70代以上の方に「スマホなんて今さら無理」「年寄りは置いてきぼりか」と叱られるのですが、電話予約を使ってもらいつつ、できれば40~50代の子ども世代から親世代に「スマホ(またはタブレット)デビュー」を促してほしいのです。

 この記事では、実際にスマホを祖母に持ってもらった時の様子が描かれています。祖父母やご両親、身近な高齢の方の「スマホデビュー」をみんなで応援していただければ嬉しいです。

 「シニアのスマホ活用」については、また改めて記事にまとめます。

 さて、私も市役所からの出張で、区役所に戻る時にアプリでルート検索をしてみました。

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 大阪市役所から生野区役所のルートの中に「オンデマンドバス使うルート(真ん中)」や「シェアサイクル使うルート(右)」や「タクシーを使うルート」が出てきます。まだ、リンク先で予約ができない交通手段もありますが、これで間のルートの予約も決済もできるのが「MaaS(Mobility as a Service)」と呼ばれるサービスです。生野区には、その最先端の入り口がすでに導入されています。

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 私のイメージとしては、マイカーや自転車を持たなくても「自分の移動」を体調や状況に応じてカスタマイズできる仕組み、と捉えています。今日は荷物が多いから間にタクシーを入れて家まで行きたい、雨だから帰りは駅までオンデマンドバスを呼ぼう、運動不足だから3駅ぐらいレンタサイクルで行ってみよう、と移動をデザインできます。

 これ読んで、鼻血出るほど興奮しました。なにせ生野区では国産材を使ったテーブルとイスと屋台を国の補助金で作った「生野区プレイスメイキング事業」というのがあるんですが、バス停やレンタサイクルの置き場である乗り換えポイントに「待つためのプレイスメイキング」が掲載されてたんですよ!

貸し出しのページはこちらです。

 大阪府市が連携した「大阪スマートシティ戦略会議」にもちゃっかり生野区は入ってまして、これから本気でスマートシティをめざしていきます。すでにサイボウズ株式会社さん、akippa株式会社さん、株式会社スペースマーケットさんと事業連携協定を結ばせてもらい課題解決にご協力いただいている「他力本願スマートシティ」ですので(汗)、そこそこICT活用は進んでいると思います。

「いくのな経営者たち」の出番!5/15(土)オンラインイベント開催

 オンデマンドバスに関しては、やはり地元の盛り上げにかかっています。私がSNSで「社会実験っていうのは、失敗したら二度と来ないんですよ!乗ってください!」と訴えていたところ、生野区内のイケてる経営者さんたちが「それは生野区の産業界から盛り上げなアカンでしょ」と、立ち上がってくれました。

 生野区の伝統産業であるサンダルを独自路線で盛り上げている「株式会社リゲッタ」の高本社長、DIYツールのネット販売で圧倒的な実績を持つものづくり×IT企業「株式会社大都」の山田社長、顧客ニーズにとことん応える金属加工のプロ「山本精工株式会社」の山本社長と、生野区自慢の若手経営者たちと、まちづくりのキーマンである「一般社団法人いくのもり」の木村代表理事が、「どうやったらオンデマンドバス&スマートシティが成功するか?」を語り合います。

 当日は、私もファシリテーターとして参加しますし、OsakaMetroの担当者からの説明もあります。ライブ配信を行いますので、ぜひご視聴ください!

 長々と書きましたが、緊急事態宣言の下に外出自粛・感染予防を大前提とした上で、必要な移動にぜひオンデマンドバスに乗ってください!宣言解除になったらどんどん乗ってください!そして少しでも「生野区の未来」に関心があればオンラインイベントにご参加ください!とお伝えして終わります。

この春移動してきた小原企画総務課長がまさかのTikTok使いだったので、煽られて作ってみました(笑)。お迎えに来てくれるとめちゃくちゃテンション上がりますよ!