見出し画像

シンガポール日本人学校の校長先生のメッセージ

海外の日本人学校や補習校の情報に目を通している中で、シンガポール日本人学校ウエストコースト校の学校だよりにある、校長先生からの巻頭メッセージにとても共感できる部分があったのでご紹介します。
http://www.sjs.edu.sg/secondary/wp-content/uploads/2021/02/3362ad8c95264eabfa1333ba6a465085.pdf

 私も、過去に10校程度の海外日本人学校を訪問して、現地で日本人学校に通う生徒さんの海外での生活の実情を見たり聞いたりした中で全く同様のことを感じました。海外の日本人学校の校長先生は文科省からの派遣が多く3年程度で交代すると聞いている。そうすると、その期間を穏便に過ごせば、また帰国して派遣元の自治体の教育委員会での然るべき立場が待っているであろう。しかし、目の前の生徒の現状や将来の日本を憂い、日本人学校を取り巻く様々なステイクホルダーにとって場合によっては耳が痛い話も織り交ぜながら熱く語られている姿が素晴らしいと感じた。

校長先生のメッセージは、次のような決意から始まる。
「本校生徒の現在および将来の成長について思いをめぐらせるにあたり、(略)強い危機感を覚え、次のことを勧める。何も言わないほうが穏便に終わるが、無責任である気がする。

そして、具体例を示されて5点について提言をなさっている。

①塾に行かないこと
受験対策は本質的な勉強ではない。困難に遭遇するとき、原因や背景を見きわめ、解決の先例を調べ、方法を自ら考える力は、将来的に不可欠である。実社会は「未知」との対峙であるからだ。学習の本来的なかたちは「独学」だ。学習のペースや方法を他に依存することは、基本的に良くない。

②自力での登下校
シンガポールの日常を自らの耳目に触れさせねばならぬ。シンガポールの実状に触れず、限られた人と密室の中で英語ばかりをやって何が「グローバル人材」か。

③ボランティア活動
日本人会がやるバザーやチャリティドローのような、カネやモノに頼るボランティアではなく、自らの活動がそのまま必要な人の支援に結びつくような、そんなボランティアを勧める。

④シンガポールを歩くこと
休日にも積極的に外に出よう。何かしらテーマを持って歩くとよい。

⑤休日はインターネットを遮断
本を読んでもいい。音楽でも映画でもいい。将棋や囲碁を覚えてもいい。ゲームなどより、はるかにいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?