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テーマ指定小説「ドキドキ」(Rさん/高1)

この作品は福岡にあるフリースクール「スタディプレイス」の生徒が午後のゼミ活動(ことばゼミ)にて作成したものです。

「スタディプレイス」とは
ICT(情報通信技術)を活用した個別最適化学習や、社会で必要な知識・スキルのカリキュラムを提供するオルタナティブスクールです。
福岡市西区・東区、大野城市、行橋市、オンライン校を含めた合計5校を展開しており、経済的な背景に関係なく、すべての子どもたちが学べる独自の奨学制度もあります。
入校をご検討中の方は見学・体験が可能です。お気軽にお問い合わせください。

僕の名前は佐藤幽助八才。
僕は自分でもわかるほどに臆病な性格でいつも周りに怯えながら生きている。

そんな僕に最大の試練が訪れた。
今度学校で作文発表会をするらしい。
臆病な僕は考えただけでも冷や汗が出てきて夜もまともに眠れなかった。
こんな僕に発表などできるのだろうか不安でしかなかった。

けれど考え込んでも意味ないと思って気楽に考えてみることにした。

作文のテーマは自由なのでテーマから考えてみることした。
何にしようか模索した結果1番だいすきな人を書くのがいいと辿り着いた。僕は家族の事を書くことに決めた。

家族は僕の中でとても大切で人見知りな僕が唯一安心できる人で僕は家族の事がだいすきだ。

テーマは決まったので早速書き始めることにした。
書き始めると止まらなくて、気付いたら夜中になっていた僕は家族の好きな所をたくさん書いた。
書いているとなんだか気持ちが温かくなって家族の事が急に恋しくなっていつもは1人部屋で寝ているが、今夜はお母さんとお父さんが寝てる所に行って一緒に寝た。

そんなこんなしてるうちに発表会の日は近づいていた不安ばかりの僕だったがこの頃になると不安なんて忘れて楽しく毎日過ごしていた。

遂に発表会一週間前になった一週間前から僕は1人で練習して毎日作文を読んでいた。正直不安が0といったら嘘になるが、最初の頃に比べてなんだか気持ち的に成長した気がする。これなら発表できるぞと思った僕にハプニングが訪れた。

発表会当日僕はやはり少し緊張していて早く起きてしまったので早めに登校して登校中に渡る川があるのでそこで最後に練習していたが。

うっかりして風と共に作文用紙が川に流れてしまった頑張って追いかけたが紙はびしょ濡れでとても提出できるような状態じゃなかった。

僕は最初に比べて強くなったと思っていたが作文用紙が使えなくなって不安がまた逆戻りした。
どうやって発表しようなんて先生に言おう。
そんな事をずっと考えながら不安な状態で学校に着いた。
教室に入るのも億劫だったが入ってしっかり先生に事情を話した。

しょうがない幽助は今回の発表は無しにしようとと言われたが自信作だったし、今日の発表会はお母さんが来るのでお母さんも楽しみにしていたし、僕は幸い暗記するほど何回も練習していたので不安だったが発表したいですという事を先生に伝えた。

許可をもらえたので僕は用紙なしで発表することにした。
発表の時間になって僕は席についた前の席の子が発表しているのを見て更に緊張してどんどん僕の番が近づいてきて胸の鼓動が早くなっていた遂に僕の番。

発表しようとした途端作文用紙がない事に驚いたのかみんなざわざわしてめちゃくちゃ視線を感じて緊張で一気に内容が飛んでしまった。
どうしようと焦ってはいるが内容が思い出せずあたふたしていると、お母さんが後ろで頑張れと優しい声で言ってくれたのが聞こえて安心したのか作文内容を思い出して僕は発表した。

発表は無事成功しお母さんはもちろん他の子の親まで泣いてくれるほどで僕も嬉しい気持ちなった。発表が成功した事で完全に克服したわけではないが最初に比べて気持ち的に強くなれた気がするしなんだが自信が漲ってきたこの作文発表会があったおかげでこんな気持ちになれたし最初聞いた時は嫌だったけど今はとてもいい経験になったなと思う。