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高校入試過去問について

10月を迎え、島根県では公立高校入試まであと150日ほどとなってきました。

この時期になると、受験勉強のために自ら「過去問」を始める生徒が増えてきます。意欲が上がってきていいことですが、過去問はただやるだけでは意味がありませんし、生徒さんごとで取り組む時期は異なります

過去問と同じ問題が入試で出題されるのであれば、それを繰り返すことに意味はあるのでしょうが、残念ながら同じ問題は出ません。

親子の会話でも要注意なことがあります。
受験勉強の時に過去問を繰り返した経験は誰しもあると思いますが、大人になるとそれ以外にどのような受験勉強をしたかは意外と忘れていて、子どもたちに「過去問をとにかく繰り返したよ」と言いがちなのです。残念ながらこれを聞いた子どもたちは過去問だけをやるようになります。

過去問を実施する目的

過去問での学習はそれを使用する目的を考える必要があります。
過去問を実施する大きな目的は2つあります。

出題の傾向を知ること
どれくらいの問題量でどのような形式・難易度なのか、それを知ることです。例えば記号問題が多いのか、記述問題が多いのかなど。
合格点にたどりつけるレベルなのかを知り、足りないのであれば何を補うのかを知るため
地理の知識が不足しているなとか、図形の証明が弱いなとか、弱点を知り、その補強を過去問ではない問題集を使って演習していくことです。

ではこれらのことをふまえ、時期を考えていきましょう。

過去問を取り組む時期

入試に出題される問題は中1・2の内容が70%、中3の内容が30%ほどとなることが一般的です。一見、早くからやってみてもいいと思うかもしれませんが、入試の問題はさまざまな分野にまたがった総合問題が出題されており、過去に学習した内容が定着していないと対応できません。そのような状況で過去問をやっても、受験勉強をした気になり、結果何も身についていないということがあります。

【秋から過去問に取り組める人】
中学範囲の学習がほぼ終わっていて、夏休み中にこれまでの復習をしっかりした生徒さんに限られます。この場合は過去問をやってみて、自分の弱点を知り、それを補強して、別の年度の過去問にチャレンジするという流れがよいでしょう。これができる生徒さんは偏差値60以上、島根県で言うと北高理数科や高専を狙っている生徒さんになります。

【過去問を実施するのを待った方がいい人】
まだ中学範囲の学習が残っている生徒さんたちは以下のように取り組むことをおススメします。
10月~12月はこれまでの復習(夏に学習したテキストを使って)に取り組む
・高校入試に必要な内申点は2学期まで関係するため、中間や期末テストの点数を少しでも上げるように学校のワークなどを早めに取り組む
同時並行でやっていくことができれば、12月後半からは入試の出題形式に近い総合問題の練習をする時間が取れるでしょう。

まとめ

時期を考えて過去問は実施すべきだというお話でした。
簡単にまとめると、
中学範囲の学習が終わってから過去問をやるべき
でも問題の傾向を知るためには1回分くらいはやってみてもいいですよ
ということです。

少し裏技的なお話をしますと、最近の入試問題は知識を問うだけの問題が少なくなり、活用型の問題が増えています。そういった問題がたくさん載っている問題集は他県の過去問です。実際に似たような問題が出題されたりしています。
私は生徒さんに合わせて、塾のカリキュラムの中に適切な時期に過去問演習を取り入れるようにしています。また他県の過去問もピックアップして入試前に演習します。目先の結果を焦らずやり方を考えて学習していけば、入試直前で点数が伸びていきます。

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