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【本】今、再び話題の絵師の本

今、京都で『若冲と応挙』展覧会が開催中だそうですね。

若冲といえば、円山応挙と並に、江戸時代に京で活躍した絵師。躍動感あふれる超絶技巧の筆捌き、鮮やかな色彩感覚と独特の世界観は、いつ見ても「これが江戸時代?」と、俄には信じられないほどですが、彼については、あまり何も知らなく。

ただ、『若冲』とだけ書かれたタイトルに惹かれ、手に取りました。

町人であり、記述として残っていることは少ないために、わかっているのも、裕福な商家の長子として生まれ、妻帯せず、長寿を全うする間、多くの作品を残したことだけ。

「それを若くして妻を自死に追いやって、その呵責を抱えて、作品作りにのめり込んでいった」設定とし、彼の贋作を作った「君圭」を妻の弟とすることで、話をドラマチックに展開させたのがこの作品でした。

仮定であるはずの「実は妻帯していた」というところが要になりすぎていたことが、やや気になりましたが、気迫あふれる作画風景などは、やはり引き込まれましたし、多作な作家ならではの幅広い作風が順序だてて紹介されていたのは、やはり『若冲』と語るに相応しい一冊でした。

展覧会行きたいな…!!


よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!