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【本】日本の「しがらみ」はどこからきたのか。

・バリバリのやり手より、にこにこと脳のないトップが好まれる
・「きっちりしている」ことが何より大事で、コスト度外視
・規制と制限が強いわりに安全性が低い

日本を知る人なら、「あぁ…」とうなづける事件や人物が頭に浮かぶような、これらの傾向は、何も最初からそうだったわけではなく、その思想に影響を与えた人物がいた、ときいたら、興味が湧かざるを得ないですよね。

本書は、実在・非実在、また日本人・外国人問わず、日本人の思想・行動に強く影響を与えた12人を選んで、今どういった影響が残っているか、何が今問題になっているかをあぶり出した本です。「歴史に学べ」とはよくいうものですが、それよりも、「人の思想に影響の根がある」という切り口が面白く、時間をかけてゆっくり読みました。

後世の人たちは、先人たちをいかようにも評価できる立場にあるけれど、そういう笠に着た感じがなく、その時代、その思想が受け入れられる土壌があったこと、でも時代が変わって合わなくなっていったり、あるいは想像もしなかった方向に変質していったりということが体感としてよくわかる文章でした。

筆者は、東京大学経済学部卒業後、通商産業省(現・経済産業省)入省。70年には日本万国博覧会を手がけた超エリート。78年同省を退官、作家としての執筆活動を開始とのことで、さすがの幅広い情報分析力に、官僚時代の実体験が加わり、ちょっと他にはない世界観で、ハマる人はハマる、という感じ。

歴史・ビジネス関連書を他にも出していらっしゃるようで、久しぶりに、他も一つ一つ読破していきたい作家さんに出会いました。


よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!