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【小五と読書】等身大でいられるときは、一瞬

図書館が遠かったせいか、「借りた本を返しに行く」のは、ちょっと億劫に感じる方でした。だからということもないですが、本は一冊一冊、書店で吟味して買ってそれを擦り切れるまで読むこととなり、つまりは「多読」の反対「少読」タイプとなりました。

だけれども、買って持ち帰った本の中にも、一言一句覚えているんじゃないかというくらいまで読んだ本もあれば、数回で満足してしまった本もあって、梨木香歩さんは正直に言うと後者でした。

でも、人気もあるし、そろそろ長女もいいかもしれないと思って、改めて借りてきたのが今回。

中学に入ってまもなく、学校に行けなくなった女の子が主人公。母親は、イギリス人で日本人と結婚し、それ以来日本に住んでいる祖母のもとへ連れて行きます。祖母は、イギリス流の魔女の素質を持っていて、そこでひと月余り、女の子は祖母と暮らす中で、魔女の心得を学んでいく…という物語。

今読んでも、静かで、時折訪れる心のざわつきとその癒され方が自然に伝わってくるお話ですが、人生の中で思春期を通りかかるその一瞬に読めると、より深く心に残るのかなという印象で、通り過ぎてしまうと、残像のような、さらっと読んでしまうようなそういう感じがしました。

多作な方ですが、この本は一度読んでみたいな。

よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!