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【本】タイトル通りではないけれど、これはこれで面白い

最近、長女用の本を多く読んでいたので、ビジネス書禁断症状?に。

2010年発行ということで、「10年前に最先端と言われた考えを今読み直す面白さ」を求めて読みました。その点で、なかなか興味深い本だったのでご紹介です!

タイトルには全然触れられていませんが、一言で言うと、本書は、戦後の経済のメイントピックス、成長の阻害要因などをもとに各国を「8つの軌道」に分け、現状を整理したものです。

これまで世界の経済状況をもとに大まかに分けると、「先進国」「新興国(BRICs)」「発展途上国」の指標が広く使われていましたが、この「8つの軌道」というカテゴリーを用いることによって、もう少し現状にあった形で再整理されていたこと、見通しを立てるヒントとなっていることが、この本の肝。

入社2年目にリーマンショックが勃発した私にとって、教科書にも載る前、訳もわからずリアルタイムで見聞したこと(リーマンショックと共に消えていった名前はもとより、エリツィンがそういえば酒乱だったとか、ムベキ大統領のエイズのありえない対応方針など、その時代を彷彿とさせる愚かさ)を改めて思い起こしつつ、10年経って、この軌道のプラスを行っているのか、マイナスを行っているのか、また、日本の経済を今後上向きにするために結局何が必要なのか…考える興味深い時間になりました。

本書は、日本においては、民主党に政権が移った段階で終わっているので、そこから東日本大震災(原子力発電所問題)、アラブの春、パリ同時多発テロ、トランプ政権発足(から、バイデン政権への移行)、イギリスのブレグジット、習近平国家主席の長期政権樹立、コロナパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻…などさまざまな出来事が起こりましたが、概ね、この軌道というのは(私が言い換えるなら悪癖、あるいは足枷)、なかなかしがらみの強いものである、というのが実感です。

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本書抜粋
ーーー日本の課題は明白である。世界の趨勢がグローバル化に進み、「国々が競争する」状況のなかにあって、内向き思考に傾斜している。(中略)優位な外交展開、資源・エネルギー開発、化学技術、教育、ベンチャービジネスなど官民を挙げて世界に立ち向かう成長戦略の制定と実行が課題であろう。ーーー
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照らし合わせるように、5年後にも、10年後にも読み返したいし、出版当初まだ生まれたか生まれないかの娘たちにも、高校生くらいかな?読ませたい本になりました。





よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!