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論破されてみた件、その4

『表現者クライテリオン』2024年7月号、5月号に與那覇潤さんの新連載「在野の知を歩く」にゲストとして出ています。 よろしければご覧ください。

 

 ひろゆきさんに論破されたその日、ぼくは元歴史学者の與那覇潤さんと対談していた。與那覇さんの新著『危機のいま古典をよむ』(而立書房、2024)の出版記念イベントにゲストとして呼ばれたのだ(「古典を読むのは逆張りですか」@ブックファースト新宿店)。対談をするのは実は3回目、そのたびに思うのは、この人めっちゃ話うまいなあ、ということだ。

 この業界、トークがうまい人が多い。與那覇さんだけでなく、千葉雅也さん、東浩紀さん……などなど、実際に会って話してみると、頭の仕組みがちがうんじゃないかってぐらい、議論が上手である。実はぼくも批評家として売り出した頃に、何度かトークイベントを企画したことがあった。だけど、うまくいかなかった。イベントを始めたころは会場が満員だったのに、日に日にお客さんが減っていった。自分自身でも手応えのなさを感じていた。

 トークイベントを失敗したことで、気付いことがある。「話すのは簡単だが、聞くほうがむずかしい」ということだ。

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