大型経済事件はこうやって作られる 16
いずれにしても LGT 銀行の運用する公募ファンドのGIM に似せた GIM-O とその「裏ファンド」 の Neo に払い込まれた350億円も、 まず Teao なる SPC (特別目的会社)の発行する無担保債権 (要するに何の価値もない単なる紙切れ) を投資金額の9割前後も購入し、そこから ITX 株の100億円だけではなく、 QP など多数の簿外ファンドを経由して簿外損失のファイナンスに使われていくことになる。 つまりだんだん複雑怪奇になっていくが、オリンパスの資金を 「まともに見える投資先=ここでは LGT 銀行が運用する公募投資
信託など」 に投資するとして大量の資金をオリンパスから引き出し、それがいつの間にか数多くの簿外ファンドを複雑に経由して損失を抱えた有価証券を 「簿価」 で引き取ってしまう損失隠しスキームであることは何ら変わらない。
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