竹内明彦

江戸文化研究者。大手出版社で雑誌・単行本の編集を担当後、江戸文化歴史検定に携わる。退社…

竹内明彦

江戸文化研究者。大手出版社で雑誌・単行本の編集を担当後、江戸文化歴史検定に携わる。退社後江戸文化の研究者。著書『文人たちの江戸名所』(世界書院)

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文人たちの江戸名所(一)         「根岸鎮衛と芝神明宮」後編 

還暦過ぎの子  テッチャンこと南町奉行・根岸鎮衛の、謎多き父親、安生定洪の出世を追っています。  俸禄が七十俵五人扶持の徒から、百五十俵の徒組頭に出世した安生定洪は、さらに一踏ん張り。享保二十一年(1736)に、ついに旗本役の代官に出世したのでした。  およそ半世紀かけて、御家人を脱して旗本となったのです。のことでした。この年改元があり、元文元年となります。  翌元文二年、六十二歳の定洪は、頑張りついでに三男を儲けました。テッチャンです。通称銕蔵、あるいは九郎左衞門。還暦を過

    • 文人たちの江戸名所(一)        「根岸鎮衛と芝神明宮」前編

      「江戸の三男」が揃い踏み! 「てぇへんだ、てぇへんだ~い!」 「なんだい熊さん、騒々しいよ。まるで火事でも起きたように騒ぐんじゃないよ」 「いやさ、そいつだ!火消が百人集まって、神明さんに突っ込んでいったぜ」 「え~っ、鳶が突っ込んでいっただと?神明さんから火が起きたか、あわわ、こりゃ逃げなきゃ」 「大家さん、腰が抜けちまったか。いい歳して早とちりすんない。火事じゃねぇよ。出入りでぇ」 「驚かすんじゃないよ、まったく。で、喧嘩の相手は?」 「相撲取が丸太や刀を持って待ち構ぇて

    文人たちの江戸名所(一)         「根岸鎮衛と芝神明宮」後編 

    • 文人たちの江戸名所(一)        「根岸鎮衛と芝神明宮」前編