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インターン生実践レポート〜良いワークショップとは何か?〜

2023年2月13日〜3月13日の期間、株式会社Edoのインターンに参加させていただきました、東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科の永井瑚夏です!

今回私に与えられたミッションは、「良いワークショップをデザインし、実施せよ!」というもの。 主に、協働設計のEdoスタッフ新名さん、指導役の盤所さんに伴走していただきながら、 「『良いワークショップとは何か?』を徹底的に考え、WSを実施し研究成果をまとめる」というゴー ル設定のもと、一ヶ月間で以下のようなプロセスをたどりWSを実施しました。

〜実施までのプロセス〜

・飛騨やEdoについて知る
・課題把握
・事例収集
◎良いWS、良くないWSについてブレスト
・コンセプト設定
・プロトタイプ作成 ・フィードバックと修正を繰り返す
◎タイムスケジュール・レイアウト作成 ・備品準備

このうち、2つの項目についてピックアップしてお伝えします。

◎良いWS、良くないWSについてブレスト

研究と銘打ったこのミッション。まず良いWSと良くないWSについて考え、これを使って細かいプ ログラムの設定を行い、実施においてその検証を行うことにしました。 ブレストでは以下のような項目が挙げられました。

◎タイムスケジュール・レイアウト作成

ひとつひとつのプログラムにそれぞれゴールを細かく設定することで全体の目的を達成するための道筋がわかりやすくなりました。ここに書いてあるスケジュールが今回作った最善のものです。

タイムスケジュール
レイアウト

〜ワークショップ実施〜

今回私は「知ってる?アートとデザインの違い」というテーマでWSを行いましたが、これは私が大学で学んだ「美術史」の授業を参考にしたものです。また、設計についてはベースは「ワークショッ プ・デザイン 知を紡ぐ対話のデザイン」という書籍を参考にしています。自分が経験した有効な 事例を用いて設計したWSです。
古川中学校1-A、2-Bで行った当日のWSの様子について、プログラムごとに振り返り、またブレストの検証をしていきたいと思います。

◎オープニング
生徒の皆さんがスムーズに着席してくれたため、開始時間を守ることができました。また、この時クラス全体に少し緊張が見られました。

◎ワーク
対話で声を発することで緊張がほぐれてきた様子で、笑顔が増えてきました。また、「事実」が多様な視点からどんどん出てきていました。予想では、「感じたこと」がなかなか出てこないのでは ないかと思いましたが、手を上げて発言してくれる生徒さんが多く、これは嬉しい驚きでした。 また、書く時間と聞く時間のメリハリがついていました。 共有の時間に他の人の発言に対して素敵な反応を返していたのも印象的でした。

◎ミニレクチャー
ミニレクチャーは少し退屈な思いをさせてしまうかと思いましたが、頷きながら、またメモをとりな がら真剣に聞いている生徒さんが多かったです。

◎ふりかえり
感想共有の時間にはペアでお互いの感想をしっかりと聞き合っていました。また、オープニング の時の緊張はすっかりほぐれて満足感のある表情が多く見受けられました。

〈ブレスト検証〉
①参加者にも主催者にもそれぞれ気づきが得られる
主催者側の気づき:ワークの際に予想していたものより多様な視点から感想が出てきた プログラムごとの参加者のゴール設定が事前に細かくされていて、そのゴールがあったからこそ当日の様子との比較ができた。
②気づきや学びを次の行動に繋げられる
感想「さまざまな場面で対話をしてみたい」「積極的に探究やマイプロに取り組みたい」 →振り返ってほしいポイント、次の行動の方向性を具体的に示していたから、探究や対話というキーワードを引き出すことができた。

〜古中生の感想〜

「アートとデザインの違いがわかった」
「探究には自分の興味とみんなのためどちらも大切なんだと思いました」 「今日学んだことを活かして積極的に対話をしてみたい」
「知らなかったことを知れて嬉しかった」
「もっと宗教画のことを調べてみたくなった」
「自分は音楽が好きなのでそのことでマイプロをやろうと思った」

中学生の皆さんに、伝えたかったメッセージが伝わったようでした。また、予想していなかった角度からも感想をいただくことができました。先生方からも「飛騨に大学生がくることはあまりないのでどんどんこのような機会を増やしてほしい」「探究的な視点で授業をしてみようと思いました」という感想をいただきました。

〜ミッション全体を通して得たもの〜

私は今まで、WSは参加者と主催者が誰であってもある程度の気づきを得ることができる、フォーマット化された便利なツールだと思っていました。

しかし、ブレスト案でも出ていたように、主催者も参加者もどちらも気づきを持ち帰ることができる よう設定することで、主催が自分でなければならない理由や参加者がその人でなければならない理由が重なりあって、その場でしか体験できない空気感を作り上げることができるのだと思いました。

また、そのような場で得るのはただの気付きではなくその後の行動変容にもつながる有意義なものになるとわかりました。

また、気づきを持ち帰ることができるようにするためには、自分が何を得たいのかとことん追求し、また参加者に伝わってほしいメッセージが、どのようなワークなら、スライドなら、ワークシートなら伝わるのか深く想像を巡らせることが必要不可欠なのだと学びました。

WSを設計する経験は自分と他者を深く思いやることだと気付きました。

これからは自分が学ぶ側に回る普段の授業や他のWSなどにおいて受け身でいるだけでなく、前に立っているファシリテーターの伝え方から自分だったらどう伝えるか作り手の視点を同時に持って聞くことを心がけたいです。

〜今後に向けて〜

今回、設計したWSをなんとか実施まで持っていくことはできましたが、予定の組み方や当日の現場でのファシリテーションに課題があると感じました。 計画的に予定を進めることで余裕を持って当日を楽しみ、臨機応変に伝わりやすいファシリテー ションを磨いていきたいと思いました。

また、最後に今回WS作りと実施を通して親身になって関わってくださった社員の皆さん、リハーサルや当日スタッフ、ブラッシュアップに付き合ってくれたインターン生の皆さん、WS開催を快く引き受けてくださった古川中学校さんと有意義な時間を作ってくれた生徒の皆さんに感謝を伝えたいです。ありがとうございました。

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