ラジオと自分

いつの間にかラジオが自分の中で大きな存在になっていた。そんな事を前にも書きましたが、沸々とその事を感じさせる出来事があったので少し書かせてもらいます。


「私ラジオとか超嫌いなんだよね」
「分かる〜!私もほんっとに嫌い」
目の前にいた女子2人の会話が耳に飛び込んできた。

腹が立った。そして悔しかった。
こんな経験何度もしたはずだ。
趣味を聞かれ、音楽とラジオを聴く事と答えた時。面談で担任に将来の夢を聞かれ、ラジオ番組を作りたいと言った時。
相手の心で笑われてるのが透けて見えた。

そしてその度にラジオの事を人前で話す事は少なくなっていった。
結局、ラジオ番組を作りたいと言う話は高校卒業まで3年の担任にしか話さなかった。

最近の自分の周りの環境は恵まれてたんだ。改めてそう感じた。

「ラジオか!聴いてみたいけど、なんかおすすめある??」
「菅田将暉のオールナイト好きだったんだけど終わっちゃったね」
「放送作家になりたいの?ミキサーとかもカッコいいよね」

大学に入ってラジオの事を話した時の周りの反応だ。今までの自分が肯定されたみたいで嬉しかった。だからこそ、出来ればこの大学の中でそんな言葉は聞きたくなかった。

別にその2人が悪いとかは全然なく、自分にも嫌いなものはあるしその中には食わず嫌いも多少なりともあるし。むしろ2人の感想が世間の若者の意見なのかもしれないし。少なくとも少数派ではない。

自分は悔しかった。腹も立ったけど悔しかった。
それと同時に、自分がラジオ番組を作りたいと思った時の事を思い出した。

その夜私は初めてその番組を聴いた。FMラジオなどラジオを聴く習慣はあった私だがその日は昭和のテレビみたいに始まる前にラジオの前にスタンバった。
面白いらしいと噂レベルで耳にして聴き始めた番組。1時間後に番組が終わった時、私は虜になっていた。それからはyoutubeで過去回をたくさん聴いた。数ヶ月後、同じパーソナリティが昔他局でやっていた番組も聴いた。

それまでラジオを聴いていて好きな番組や面白い番組はたくさんあったけど、この時初めてラジオを聴きながら鳥肌がたった。
何かの衝動が体を駆け巡った。
この番組をもっとたくさんの人に届けたいと思った。オススメしたいとかそうゆうのともちょっと違う。

グルメ番組でよく見るアレ。
「皆さんこの料理のためだけでもこれは食べに来るべきです。」
グルメリポーターが事前から決めて言っているであろうこのセリフと同じ気持ちを心の底から抱いた。
この番組を聴いてない人、知らない人はもったいない。その時の自分は本気でそう思った。

今も根本の思いは変わらない。もちろん人には好みがあって、全員に全員ラジオが刺さるとは思わない。
でも、ラジオを好きになる人が世の中に100人いたとしたらまだ30人くらいにしか魅力は届いてないんじゃないかと思う。

だから私はその魅力に気づくきっかけを提供できる人になりたい。ラジオの間口を広げることに少しでも貢献したい。


と、今はそんな思いで日々の努力に勤しんでいます。
私は何かを支えに生きるのではなく、自分自身の支えは自分自身の心において生きていたいと考えてます。ただ、いつの間にかラジオが心の支えになっていたのかもしれません。
もしそうだとしたら、今日は金曜日。霜降りとバナナマンどっち聴こうか、沈金もリアタイできるかな?
心の支えにこんなにも選択肢がある私はだいぶ恵まれてるのかもしれないです。

この先もまた、心無い罵声を浴びることもあるかもしれません。ただ、途切れることのないラジオへの情熱を連れて日々歩んでいこうと思います。
憧れの番組を胸に抱きながら。



〜ふぃん〜



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