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コミュニティ放送 開局への散歩道☆彡⑫

コミュニティ放送 開局への散歩道☆彡
012〔空中線電力

 空中線電力は、送信機の出力端における高周波エネルギーの電力(単位〔W〕(ワット))のことです。

 一般の方々は、空中線電力を単に1Wと20Wといいますが、無線従事者は、法令規定による基準や審査の場では、1Wを136.99dB、20Wを150.00dBと電力比に換算して、法令規定を満足させています。

 数値を見てお分かりのように、空中線電力〔W〕で見ると20倍、電力比でみると、その差は約13dBμVです。
 このように単位としての〔W〕は、基本的な人間の感覚による大小を求められるような比例的な単位数値ではありません。 

 さて、1992年(平成 4年) コミュニティー放送の制度の制定時以降、現在まで、2回の「空中線電力の値」の変更が行われました。

① 制定時
 空中線電力上限1Wの時点では、参入できる者を既存民放・外国籍・個人以外で、放送電波が市区町村境を超えないという想定で市町村(特別区または政令市の行政区を含む。以下同じ。)ごとに1局の開設を原則とし、第三セクター方式で開局する場合、自治体の出資比率30%以下とした。

② 平成7年3月
 空中線電力上限10Wに増力となった時には、上限1W時の放送区域では、コミュニティ放送の経営状況が改善しないことに加え、既存民放・外国籍・個人の参入不可の規制を除き、自治体がコミュニティ放送に対して支援や出資をしやすいようにしました。

③ 平成11年3月
 空中線電力上限20Wとなった時には、世にいう「平成の市町村合併」により、市区町村の面積が増えたことによる増力となった。
 しかし、空中線電力の上限が変更になった場合でも、開設希望局、既存局は、電波法第6条第2項(開設申請)、第17条(変更等)の申請を行い、当該業務を維持するに足りる経理的基礎及び技術的能力を含む同第7条第2項(審査)、同第18条(変更検査)による合格し、免許付与を受けなければ、運用することができません。

 参考まで、制定時、選任無線従事者の内、1名以上の第一級陸上無線技術士が含まれていなければならず、当時の技術的な側面から無線設備の安定性など電波の質にかかわる調整が必要だったためです。

 現在では、陸上無線技術士のほか、外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作については、第二級陸上特殊無線技士(相当資格を含む。)の選任も可能となりました。

次回は、〔無線従事者〕です。

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