【温泉に行った】下呂温泉
下呂温泉は〝美人の湯〟であるそうな。
なるほど無味無臭の湯は〝ぬるぬる〟の一歩手前の〝ぬ〟という感じで心地よい。
明後日から大雪注意の予報が出ている12/21(木)。
名古屋に向かう新幹線のぞみ号の車窓はこの晴天。
しかし名古屋でワイドビューひだ号に乗り換えて進むほどに雲行きは怪しくなる。
下呂駅前の明治屋で温泉たまご蕎麦を食べて、
外に出てみれば雪が降っている。
雪でした
あなたの後を
何となくついて行きたかった♪
と、また歌いながら宿まで歩く。
巨大ホテル街と裏腹のこういう旧街道の景色に胸がキュンキュンする。
そして今日のお宿。
部屋でお茶など飲んで人心地ついたら外湯に出動!
ここで木曜日というハンパな日付が問題になる。
観光マップによれば下呂温泉の外湯は三軒ある。
白鷺の湯、クアガーデン露天風呂、幸乃湯。
入れたのはこの白鷺の湯だけである。
クアガーデン露天風呂は木曜休館。
幸乃湯は臨時休業だったらしい。
入口で地元の方が風呂道具を持ったまま呆然としていた。
お気持ちお察しいたします。
というわけで、この日の外湯巡りは終了。
イルミネーションなどを撮りながら帰る。
お宿の風呂は小ぶりながら岩風呂。
ぎゅうぎゅう詰めて三人が限度かな?
でも逆に一人で入っていると、マイ温泉!という気分で悪くない。
露天も小ぶりな岩風呂。
けれど小雪舞う露天は寒いだよ。
ちょっと浸かって、そそくさと内湯に戻る。
かくして木曜日の温活は終了。
就寝。
と、窓の外でギコギコとノコギリで板を切る音がする。
窓から見ればこの寒空に何やら作業をしている。
音は夜十一時を過ぎても続いた。
気がつけば電車の音まで聞こえる。
何とこのお宿の裏にはJRの線路が走っているのだった。
それもまた旅情と気持ちを宥めて眠りにつく。
12/22(金)
朝一番で宿の温泉をキメる。
露天風呂はもう覗く気にもなれない寒さ。
しかし美人の湯は暖かい。
部屋に戻れば裏の線路は始発が走り、件のノコギリ音は朝七時より開始される。
私は七時半より朝食。
例によって夕食抜きの宿泊である。
食堂でお宿の人に訊いたところ、あのノコギリ音は裏の旅館の人が門松を作っているとのこと。
なーるほど!
正月に向けての突貫作業なのね!
と納得したところ、話は続くのだった。
あの人は脳梗塞を患って人工透析もしていて、家族が言っても聞かない一刻者で云々……
それって何と言うか……高齢者ならではの問題なのでは?
と思うも旅人が口を挟む問題でもなく「はあ」「ほお」と曖昧に頷くばかりだった。
お宿の人はお詫びにとチェックアウトの際に朴葉煎餅をお土産にくれた。
別にいいのに……。
もらったけど。
話は前後するが、チェックアウト前に外湯に再挑戦。
木曜日定休だったガーデンテラス露天風呂に突撃!
今日は金曜日。
朝8時から営業開始のはず。
が、またしても風呂道具を持った地元の方が呆然としている。
「まだやってないですよ」
って、ええーっ!?
仕方なく雪の中を徘徊いや散歩してLAWSONで炭酸水やさるぼぼを買う。
そうしてガーデンテラス露天風呂に戻ったのは八時半頃。
開いていました!
しかしお宿のチェックアウト時間があるから、そう長湯はできない。
入湯料¥700。
一瞬、高いと思ったけれど、入ってみれば高くなかった。
その価値はある。
雪降る朝の露天風呂。
雪は白く湯気も白い。
お湯はひたすら滑らか美人の湯。
もうずーーっと浸かっていられる。
三十分足らずで出なきゃならないのが悔しい限り。
ああ、すっかり美人になった。
ぽかぽかでお宿に戻り、即チェックアウト。
下呂駅はインバウンドでごった返していた。
韓国語が多く聞こえる。
数人の駅員さんがその客を見事にさばいている。
私も外国人観光客と共に特急ひだ号に乗り込む。
名古屋に行くのだ。
年末のお楽しみ「大名古屋らくご祭」があるのだ。
そうして温泉旅行は落語遠征に変わるのだった。
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