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【ふるさとは遠きにありて思ふ旅②】みやぎん寄席に落語遠征!

◼️予約がない!

駅前の三の丸ホテルに向かう。
私が卒業した高校は城址の高台にある
そこに向かう坂の入り口にホテルはあった。
私が高校生だった頃にはまだ姿も形もなかった。
それで言えばJR水戸駅の駅ビルエクセルも、駅前の黄門様や助さん格さん像もありはしなかった。
(ご存知の向きに断っておくが、我が母校は城跡本丸にある高校ではない。その向かい側である。)

夕暮れの黄門様御一行

フロントでチェックインしようとしたが予約は入っていなかった。
そんなバカな⁉
じゃらんで予約をとってある!
と、受付メールを確かめると宿泊日が4月11日!
今日は3月11日である。一か月間違えて予約していた。
おまけに今日は東日本大震災の日ではないか!
それ、今思い出すことか?
でも黙祷をすべき時に、私は浅草見番で笑いこけていた。
不謹慎な!

幸いにも部屋は開いていたのでチェックインさせてもらえた。
ありがとう、水戸三の丸ホテル!
駅前のドトールでお茶をして人心地つく。
ドトールは萬橘師匠の贔屓の店である。
萬橘さん曰く。スタバは貴族のカフェでドトールは貧民のカフェ。
はい。貧民の私。
コーヒーずるずる。

翌日チェックアウトの後、弘道館を散策する。
梅は八分咲きだった。
思わずクシャミが出る花粉症。
弘道館の裏には三の丸小学校がある。樹齢何年か知れない巨木が弘道館まで枝を伸ばしている。
ここも私の母校じゃないけれど。

我が母校、五軒小学校は既にない。
今その敷地には水戸芸術館とかいうものが建っている。
五軒小学校はどこかに移転した。らしい。
けれど卒業生である我が家の兄妹は誰もその場所を知らないのだった。
余裕があればこの旅で水戸芸術館やシン・五軒小学校を見て帰るつもりだった。

この日のみやぎん寄席は11時開演。
弘道館を出て早めに寄席に着くと、予約が入っていなかった。
またかよ⁉

いや正確に言おう。
予約受付メールは届いていた。
私はそれで予約完了と思い込んでいたのだ。
こういった小さな会では当日の現地支払いが多いからである。
だが受付メールを最後まできちんと読めば、事前に銀行振込するように記載があった。
結局、前売り料金2,500円ではなく、当日料金 3,000円を支払って入場する私だった。

みやぎん寄席 柳家さん花独演会

ああ。駄目だもう。
私はこの地と徹底的に相性が悪い。
もう帰ろう。
帰ってしまおう。
うなだれて、さん花さんのマクラを聞く。

昨年しくじった某師匠に関する話である。
今年の初めに聞いた時には既に終わったような口ぶりだったが、まだひきずっていたらしい。
社会人としてはなかなか問題のあるしくじりである。
(落語家としてはどうだか知らないが)
さん花さんに比べれば私の失態など大したことはない。
などと少しばかり勇気づけられる。

そんなこんなで落語に関して私は上の空だった。
ゴメン。
でもほぼ満員の客席は爆笑に包まれていた。
女性客が大半の会場で「持参金」というネタ選びは如何なものか。
と思ったのは私だけかも知れない。
またゴメン。

みやぎん寄席は高座に太鼓が出ている。
落語家が解説付きで一番太鼓も追い出し太鼓も叩いてくれるのだ。
そして最後にはじゃんけん大会で色紙のプレゼントもある。
私は当たらなかった。
いや、ここで当たる方が逆に変だと妙に納得するのだった。

◼️水戸植物公園は健在だ!

落語を聞いて少しは気分が持ち直したので、かねてより予定していた水戸植物公園に向かう。
ふるさとに帰ることがあれば、必ず寄ろうと決めていた場所である。

水戸駅からタクシーに乗る。
二十分ほど乗り料金は3,000円程……みやぎん寄席にもう一回入れるぞ。
田舎は車がないと高くつく。

行きも帰りもタクシーの運転手さんは、水戸植物公園はもう閉館になったのでは?と疑問を呈するのだった。
ゴミ焼却場があった頃は、その熱で温室をやっていたが焼却炉も移転したから……というわけである。

いや、やってますから。
健在ですから。
Twitter発信してます。
水戸植物公園!
地元民にも誤解されてるぞ!

ここもまた芋を洗う騒ぎの偕楽園を通り過ぎて、タクシーは冬ざれた田畑の中を疾走する。
嫌な予感がする。
まだ三月なのだ。
梅が咲いたばかりなのだ。

案の定、植物公園は枯葉色に満ちていた。
受付で入場料150円を払う。
弘道館の半券を見せたら特製メモ帳をもらえた。
ほくほくしたのもつかの間、中に入ると全く人気がなかった。
薄気味悪い程である。
今ここで奥からゾンビがふらふら現れても不思議はない景色……。

本来こういう場所に来るべきは花が満開になる五月のゴールデンウィーク頃ではないのか?
入園してから気づいても遅い。
いちいち的外れな私である。

だが逆に閑散とした冬風景は、イガイガ尖った心を慰める。
終わりかけのセツブンソウは最後の一輪が残っていた。
地には一面にクリスマスローズが咲いている。
一重に八重に様々な品種のクリスマスローズ。

養命酒薬用ハーブ園なんてのもある。
あいにく緑は見られなかったが、植物館ではドライハーブの香りを聞くことも出来る。
丁子の香りをクンクン嗅いで心慰める。
クローブだよ。
クリスマスの香りだよ。
クンクンクン。

温室の民

温室の花々は満開だった!
そしてレストラン「フィオレンテ」で筍入り薬膳カレーランチをいただく。
帰りにタクシーを待っている間、猫と和む。
ここで餌をもらっているらしく、むちむちボディの猫らだった。

筍入り薬膳カレーランチ
むちむちボディ!

③に続いてしまう!

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