![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104431114/rectangle_large_type_2_1b372451122b55a77c46378668d58ec1.jpeg?width=1200)
【温泉に帰って来た!】戸倉上山田温泉
◼️ビジネスホテルの大浴場
4月30日(土) ゴールデンウィーク初日!
という認識もなく私は長野にやって来た。
昼食はまたも食べログで調べたカレー屋さん。
山小屋という地元に根差した感じのいいお店。
こういう所はフツーのチキンカレーが美味しいんだ♪
と思っていたら限定20食のタイカレーを勧められて思わず注文。
サラダとアイスクリーム付き。
温玉を付けるのは私の癖。
うまかったっす!
![](https://assets.st-note.com/img/1682929629888-mrq1EwW7rX.jpg?width=1200)
宿泊はドーミーイン長野。
ここには天然温泉「善光の湯」がある。
かすかにとろみが感じられる透明な湯。
単純硫黄冷鉱泉。
これよ、この感じ!
私が温泉に求めているのはこの感触なのだ。
もっともビジネスホテルの大浴場じゃ風情に欠ける。
というわけで、翌日は……
◼️戸倉上山田温泉
ここは私の温泉開眼の地。
外湯スタプラリーをコンプリートするまで何度も通ったものさ。
けどコロナ禍になってからは、訪ねても外湯は遠慮していた。
地元の方々に迷惑かけちゃいけないしね。
だがこのゴールデンウィークは違うぞ!
5月1日(月) しなの鉄道で戸倉駅へ。
帰ってきたぞ!
心のふるさとに!
いの一番に入ったのはもちろんこの温泉。
![](https://assets.st-note.com/img/1682928196837-TNHeU7g3V8.jpg?width=1200)
国営ではないと思う多分
関西風に浴場の中央に楕円形の湯船がある。カランは12個ぐらい。
朝から地元の方々でいっぱいである。
それもそうだろう。とてもいいお湯なのだ。飲泉も可能。
心なしかとろみのある化粧水のようなお湯
遠くにかすかに香る硫黄臭が懐かしい。
アルカリ性単純温泉。
私にとって温泉とは、このお湯なんだ。
このところ温泉津温泉や鉄輪温泉など塩化物泉にたて続けに入って、何かビミョーに違うと思っていた。
顔のお肌がピリピリしたりして。世評の高さと自分の体質が一致するとは限らないと悟ったばかりである。
国民温泉を出ると白鳥園がある。
今回は入浴抜きで軽く喉を潤すつもりが、以前はあったテラスのカフェがなくなっている。
仕方なく早めの昼食にする。
![](https://assets.st-note.com/img/1682929226500-nva65dTuRO.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1682935436862-D28IkKzjBF.jpg?width=1200)
“山笑う” とは俳句で春の季語だそうである。
春より夏に近い陽気の中、山は大いに笑っている。
私も笑いながら戸倉上山田温泉の町を歩くのだった。
ゴールデンウィークだというのに人影は少ない。
手押し車にすがった老婦人二人がお喋りしながらゆるゆる歩いて行く。
車ばかりが疾走するのは地方都市ならではの風景である。
![](https://assets.st-note.com/img/1682941300770-I3ZBkLANNh.jpg?width=1200)
方向音痴の私は軽く迷子になりながら、つるの湯に辿り着いた。
そこでまた入浴して本日のお宿を目指す。
今更気づいたが、宿はスタンプラリーをしていた頃に泊まったことがある。
もう二度と来るものか!と決意したはずなのに。
嫌な記憶は忘れる努力を惜しまないから、すっかり忘れて予約してしまったのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1682943565615-KAj2PCzCxy.jpg?width=1200)
毒の前に爽やかな写真を
その昔、温泉といえば団体客が観光バスでホテルにどっと繰り込んで、宴会場にコンパニオン呼んで呑めや歌えの大騒ぎ、揚句に湯に入ったのか入らず酔い潰れたのか知れないが……
そんな時代に建てられて建て増しを重ねたのだろう。
豪華だが迷路のようなホテルは方向音痴には魔宮である。
何より一人旅には向かない宿。
上層階の大浴場は過去の栄華を偲ばせる素晴らしい設えである。
窓には美しくレトロなステンドグラス。
そしてやはり湯はまろやかで温かい。
かすかに漂う硫黄の香り。
いつまでも浸かっていたいお湯だった。
アルカリ性単純硫黄温泉。
ああ、私の体質に合うのはこういうお湯だったのね。
なのに、一階の露天風呂にはバラを浮かべているという。
はあ!?
そりゃ過去にバラの花を浮かべた湯に入ったことはあるよ。
でも、ただの白湯に香りを足すためだった。
ここには硫黄の香りがあるではないか!
温泉を冒涜するにも程がある!
温泉宿のプライドはないのか!!
と怒り狂って翌2日、早朝五時過ぎにバラの露天風呂に入る。
シャワー付き洗い場が別室に設けられた、やはり贅沢な造りである。
石造りの湯船には、大量のバラが浮いていた。
湯の流れで角に集まっている花がプカプカ流れ寄る。
ああ、落ち着かない。
バラ邪魔!
湯船の縁に二つ三つ花を並べてみる。
バラは花壇に咲いてこそ美しい。
◼️余談
![](https://assets.st-note.com/img/1682943856067-9kCZmHMSr9.jpg?width=1200)
このスイーツをいただいたカフェのマスターは地元の人だった。
老夫婦のお客さんの奥様が連休で帰省した、やはり地元の人だったらしい。
地元話で盛り上がっていた。
「あの頃はお祭りも賑やかでお神輿は出たし、芸者さんもたくさん来たわねえ。
今もお祭りはあるの?」
「今年はお祭りやるけど寂しいもんだよ。人がいないから。
昔は観光バスでお客さんがたくさん来たのにね。今はゴールデンウィークでも誰も来ないよ」
「昔は通りも人が大勢で、子供なんか夜は外に出られなかったわ」
「本当に人が来なくなったよ……」
かつての繁栄を懐かしむマダムと、寂しい現状を嘆くマスターと。
それは他所に嫁いだ身と、今もこの地に暮らす身の違いだろうなあ……
などと捨て耳で聞きながらソフトクリームを食べるのでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1682974891560-amMnJBdyNU.jpg?width=1200)
未だに使っていない
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?