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福島で春を感じた!


先日、磐梯山麓の町・猪苗代に滞在しました。

猪苗代湖の畔では八重の桜が咲いていて、雪解けの道なのか水は綺麗に澄んでいました。
車で釣りに来ていたご主人曰く、鯉やウグイが獲れるのだとか。

あぜ道には勿忘草や姫踊子草が咲いていて、そびえ立つ磐梯山のてっぺんに残る雪とは相反してこちらはすっかり春の模様。
もうじき田植えが始まるのか、おじいちゃんが土を耕すのに精を出していました。

夜になって地元の方々が集まるパブへ行くと、お隣のお父さんが採ってきたばかりのもみじ草を振る舞ってくれて、この店が満席になるのは3年ぶりだと笑うマスターの話を聞いていると余計に春の訪れを感じられるばかりでした。

翌日、磐梯山の裾野に広がる五色沼という湿地帯へ訪れてみました。
毘沙門沼、赤沼、みどろ沼、竜沼、弁天沼、るり沼、青沼、柳沼の総称が五色沼で、その名の通り沼ごとに色が異なり、また季節や天候によってもその姿を変えることから、それぞれが五色沼たるのかもしれません。
いくつかの沼では湖水が波長の短い可視光線を散乱させ、鮮やかな青色に見ることができました。

五色沼を抜けるとさらに大きな湖に出ました。
ここ桧原湖は明治21年の大噴火で磐梯山と並んで小磐梯と呼ばれていた山体が泥流となって川が堰き止め出来た湖で、その湖底にはかつての桧原集落が眠っているといいます。
現在は湖を取り囲むようにリゾートホテルが建ち並び、手漕ぎボートやカヌーのアクティビティも充実していました。

磐梯山の別峰に猫魔ヶ岳と呼ばれる山があります。
古くは黒猫の魔物が棲み着いていたとされており、かの松尾芭蕉は「山は猫 ねぶりていくや 雪の隙」という一句を残しています。
恐らく春先の雪がまばらなちょうど今のような山肌を見てこの句を詠んだのでしょう。
桧原湖の夕景には、そんなおどろおどろしさが見え隠れしていました。

磐梯山は現在も噴火活動を続ける活火山で、北麓の裏磐梯と呼ばれる側面には噴火による山体崩壊で生まれた荒々しい岩肌を見ることができます。
その恵みで周囲には温泉地も複数あり、中でもここ「磐梯熱海」は熱海温泉に準えたのも頷ける佇まいのレトロな温泉街。
アルカリ性の単純温泉で泉質はとてもシルキータッチ、肌によく馴染みます。

翌朝、安達太良山から昇った太陽は、昨晩の新月とは打って変わってまん丸に大きなフレアを放っていて、みなぎるパワーを感じました。

振り返ると磐梯山の山頂は雲で隠れ、穏やかな春の日和がそこにはありました。
何より日頃触れている並木の桜が咲いては散るような平面の春ではなく、山頂と裾野でまるで景色の違う立体の春を感じられたのが素晴らしかった。

そんな磐梯山の山岳信仰について、興味深いnoteがあったので貼っておきます。


また今回の滞在でお世話になり、ひときわ素敵だったお店やスポットはこちら。

四季折々自然の恵みを感じられるこの町は、
東京から3時間でアクセス出来る利便性の良さ。
次は紅葉かスキーを楽しみに訪れたいと思いながら帰路につきました。


🖌&📸 @edanoshin

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