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まちの居場所づくりを考える「ローカルメディアのつくりかた 読書会」

清水麻衣

東京都の高円寺に新しくできた「本の長屋」にて「まちの居場所づくり」をテーマとした読書会イベントが8月16日に開催されました。主催は、EDIT LOCAL LABORATORY会員の嵯峨創平さん。
ゲストにEDIT LOCAL LABORATORY代表の影山裕樹が呼ばれ「ローカルメディアのつくりかた」(学芸出版社・影山裕樹 著)の本を題材に、対話と交流会が行われました。


関係の編集=つなぐ人

読書会の中で、議題に上がったテーマの1つは「メディアの限界」。メディアは一方通行のものであり、会話や自己変容を生むことができない。そこが、メディアの限界であること。その限界を超えて「人をつなぐ=関係の編集」機能を持つものが、自己変容を生む機会を作り出すことができるという話が上がりました。

本の中でも「ローカルメディアを作ることより、その過程で人と人をつなげていくことに意味がある」と繰り返し述べられていましたが、そういったあり方を大切にすることが、従来のメディアの限界を超えていく力になっていくのかもしれません。

孤立と分断を超えて

一方で「そもそもつながることの意義とは?」という問いも生まれました。他者への寛容さを持てない若者と、自分の価値観を変えられない高齢者。交わりたがらない人々をつなげる必要はあるのでしょうか?

社会の停滞を生むのが人々の孤立や分断であり、現代の社会問題はそこから発生しています。京都アニメーションの放火殺人事件や、ヨーロッパにおける移民問題なども、孤立や分断が生み出した事象です。

そういった分断や孤立を防ぐことに必要なのは、異なるレイヤーがつながる居場所。その一手法として「本屋という媒体はとてもいい」という話に、終着していきました。

今回の読書会という場自体も、さまざまな異なる世代やレイヤーの方々が集まる場所でした。普段つながることのない人々と、深い対話を交わしていくこと。そうしたことを小さくても、継続していくことの積み重ねが、まちの居場所づくりに繋がり、長い意味での世界平和に繋がっていくことを感じさせてくれるような素敵な一夜になりました。

嵯峨さんは、今後も引き続いて、「まちの居場所づくり」をテーマに10/18に「マイパブリックとグランドレベル」、12/20に「協同組合の理論と実際」の読書会を「本の長屋」にて開催される予定とのことです。読書会の参加にご興味のある方は、「本の長屋」までお問い合わせください。


清水麻衣

1987年東京都渋谷区生まれ。立教大学メディア社会学科卒業後、番組制作会社に5年間勤務。2020年〜渋谷の屋上にて多目的スペースSHIBUYA valleyを立ち上げ。2022年〜大森町駅高架下にてイベントスペースCO-valley運営に従事。


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