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まさに探求学習!

Explaygroundでは、様々なラボ活動のほかに、東京学芸大学の附属学校などの教育現場とのコラボレーションも行っています。そのひとつが東京学芸大学附属高校の探求活動サポート。同校の探究活動は、各自の興味関心に関係のある分野でテーマを設定し、年間を通じて研究する取り組みです。通常の授業は初めに知識を教わってから問題に取り組みますが、探究活動ではまず自分なりの問いを立て、それに向かって紆余曲折・試行錯誤していくことで学びを深めていきます。その中では、高校内で収まらない調査・研究も出てきますので、Explaygroundはその部分でお手伝いしています。お手伝いしながら、私としては「いつかエディブルヤードに関する探究をしたい生徒さんが出てこないかな」と密かに期待しています。

さて、今週は野人ムーさんにお会いしに初めて伊勢まで行って来ました。ムーさんはこのブログでも何度かご紹介していますが、協生農法を最初に提唱・実践した人です。2008年から「野人エッセイす」というブログを毎日(!)お書きになっていて、そこに協生農法の考え方が詰まっています。ブログスタートとともに伊勢の農地の中に1反(約100平米)の実験農場を作り、そこで協生農法の基本を確立した後、また別の場所にも幾つか農場を作っています。そして週末にその知見をシェアする講習会を開いていらっしゃるので、そこに参加してきました。

講習会の様子は、即日ムーさんがブログに上げていらっしゃるので(さすが)、そちらもご参照ください。講義→農園見学→まかないランチ→講義、という流れ。まかないランチの猪鍋が強烈に美味しくて4,5杯食べてしまったので夕食はほとんど不要でした! 私はムーさんブログの協生農法に関する記事はほとんど読んだと思うので、協生農法の基本的なところはほぼ理解しているつもりですが、その上で今回私にとって大きかったのは、ムーさんの農場を見学できてことと、ムーさんの「ものの見方・考え方」を再確認できたことでした。

12年前に作られた実験農場は、今は本格的には野菜作りされていないのですが、以前からのニラやゴボウ、島ラッキョウ、ハーブ類などは放っておかれていてもところどころに散見されましたし、果樹は立派に育ってたくさんの実を付けていました。

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周囲は普通の畑や田んぼが広がっている地域なのですが、ここだけ完全に別世界。雑草も含めてとても多種の植物が生えていて驚きます。

ムーさんの考え方は「協生農法は物理?」の回でも少し書きましたが、今回改めて感じたのは、協生農法に限らず、普段から生活のあらゆる場面で従来の常識に囚われず、常に色々なことに「なぜ?」と疑問を持ってその理由を解明しようとしていることです。そしてそこに自分なりの仮説を立て、それに基づく実験をして検証していく。それを繰り返してできたのが協生農法。それはまさに探究活動です。ムーさんは日々の生活が探究活動。

今回の講習会でもそうでしたが、協生農法を人に説明すると、必ず「協生農法では〇〇はやっても良いですか?だめですか?」という質問が出ますし、「不耕起、無肥料、無農薬」ということであったり「協生農法実践マニュアル」に書かれていることに従ってやろうとしてしまうことがよくあるのですが、実はそういう態度自体が「知識を得てそれを適用する」というスタイルに囚われてしまっているのだと思います。今回の講習会でもムーさんが質問に対して「自分で考えろ」と仰ったり、「答えることはできるけど...」と言いよどんだりされる場面が多々ありました。

いちばん大事なのは、自分で問いを立てて、仮説と検証を行うこと。その結果、もしかしたらムーさんの結論と違うことになったとしても、それはそれで正しいかもしれない。単に公式を暗記するのではなく、公式を自分で導き出せるようにならなければならない。ムーさんはよく「小学生でもわかること」と仰っしゃりますが、実は知識偏重で育ってきてしまった大人にとっての方が難しいのかもしれません。小中学生のうちから協生農法などに触れて探究心を持ち続けられるといいなあ。

しかしムーさんは植物の種類は瞬時に見分ける知識をお持ちでした(当たり前か)。木の実学習で山道をドライブしている最中も「あれは自然薯、あれはヤマモモ」などとすごい動体視力で紹介して下ったのですが、どんどん通り過ぎるので素人にはつらい。。どれが何の植物で、どういう基本的な性質を持っているか、という知識は身に着けねば。ハゼノキにうっかり触ったりしかねませんし。

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野生の自然薯にできたムカゴは生で食べられ、とても美味しいということも知りました。冒頭の写真にあるアケビも上品な甘さでした。

アケビのタネも持って帰ってきましたが、ネットで調べたら実がなるまで10-20年かかるようなことが書かれていて、ウーン。
ムーさん農園のゴボウのタネもらってきましたが、「増えすぎて困るぞ」とムーさんに脅されたので、これも迷う。。

(フジムー)

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