もっとクリアに！クリーンなスキンケアに求められる透明性について

クリーン、エシカルをうたうスキンケアブランドはより的確にその透明性をわかりやすく伝えることが求められています。例えば、化粧品の素材の由来を知りたいと考える傾向は年々高まっています。

食べ物を食べるとき、その食材がどこの国でどんな人がどんな風に作られて、どうやって運ばれてきて、自分の口に入るのか？そんなことを考えるのと同じように素材などの生い立ちについて知りたいと消費者が考えはじめているのです。

「〇〇配合」「○○フリー」ビューティー＆ウェルネスの分野でも原料の透明性が問われる時代になりつつあります。自社が扱う製品の原料へのこだわりを持ち、それがどんな風に社会に役立つのかを明らかにする努力を惜しまないブランドが次々に誕生しています。

透明性が求められる背景

ビューティー＆ウェルネスビジネスに透明性が求められている背景にはSDGs（エスディージーズ）があります。

SDGsとは、国連で採択された2030年までに「持続可能で、多様性と包摂性のある、よりよい世界を目指す」ための国際的な目標です。

SDGsには17の目標があり、この目標を達成するために先進国を含めて，全ての国が行動することが求められています。これにより、世界の共通認識としてより持続的なモノや環境に対する意識が高まりつつあると考えられます。

17の目標には次のようなものが含まれています。

・あらゆる貧困、飢餓を終わらせ、栄養を改善し、持続可能な農業を促進
・すべての人が健康的に生活し、福祉、教育を充実
・ ジェンダーの平等を推進し、女性の能力、権限の向上のための支援
・持続可能で安全な水やエネルギーの確保と管理
・人間らしい働き方の促進
・気候変動による影響を軽減し、自然、海洋資源を保護

もうひとつの背景は、消費者が化粧品成分についてもっと情報を公開してほしいと考えだしているということです。

真実を知りたい消費者の願い

以前にも書いたのですが、グリーンウォッシング企業による見せかけだけのグリーンが多く出回ったため、消費者が本当に持続可能なのかを簡単に信じなくなりつつあります。

参考記事：グリーンウォッシングに踊らされない、本当にグリーンなスキンケアの見分け方

ブランド側の説明が足りていないという側面もあり、より明確な説明を求められています。例えばエコ-フレンドリーというような表現では根拠が明確ではないため、逆にグリーンウォッシュと疑われることもあるようです。

消費者の誤解をまねくような言葉遣い、誇張などはいつか見破られてしまう時代です。グリーンなスキンケアブランドには、原材料の調達から製造、管理、配送、販売、消費までの一連の流れの透明性が求められます。

インターネットの発達のおかげで誰もが情報を発信できる環境が整ってからというもの、嘘はバレるという風潮です。これまで誰もが知り得ない、裏側の部分がなくなりつつあるのが現状です。

そんな状況の下で、スキンケア＆ウェルネスの分野でも責任のある仕事が求められています。責任はいつの時代もありますが、本質的な部分においての責任が問われる時代がになりつつあると感じませんか？

動物、環境にやさしい？

人を含めた動物にやさしいこともクリーンなスキンケアに求められる条件です。

フェアで適正な労働環境を保つことも重要なポイントです。スキンケアの原料での児童労働や苛酷な条件の下での労働、フェアトレードなど、不当な搾取がない働き方を推し進めるスキンケアブランドが登場しています。

収益を追い求めた結果、子どもを不当に働かせたり、苛酷な労働環境で自殺者が絶えないという社会に疑問を投げかけ、問題解決に向けてアクションをおこすブランドってかっこいい！

絶滅の危機にある動植物、動物実験の有無など、生物の多様性（バイオダイバーシティ）、生物の豊かさを追い求める姿勢も今後さらに求められるポイントです。

スキンケア原料にもトレーサビリティはもちろん、さらに安全でハイパフォーマンスな効果が求められる時代、インディービューティーブランドにとってはそのコストが肩に重くのしかかりますが、クリアする方法を模索するしかありません。

クリーンなスキンケアをめざすなら

クリーンなスキンケアが求められる背景として、消費者の声は今後も大きくなり続けるでしょう。クリーンなスキンケアにはその声に耳を傾け、今までに考えられてこなかったこと、とその意味を探る必要があるでしょう。

消費者や原料製造者との良好なコミュニケーションを保ち、消費者の声に誠実に答え、クリーンなビジネスの工程を作り上げる、わかりやすく伝えるなど、関わる人たちとの持続的な関係性を大切にすることが求められます。

正直で透明性のあるコミュニケーションとその根拠となるアクション、ホリスティックな思考を大切にしたブランドが今後も登場することが期待されます。