グリーンウォッシングに踊らされない!本当にグリーンなスキンケアの見分け方
個人レベルでは割りばしの無駄に使わない”マイ箸”、PETボトルを買わずに水筒をもち歩くなど、環境に悪い影響を与えない生活を実践する個人はずっと昔から(昔の方が意識は高かったかも)一定数いらっしゃいました。
プラスティック製のストローをやめて環境にやさしい紙製などに替えるレストラン、計り売りを導入して使い捨ての容器の使用量を削減するスーパーマーケットなど環境に配慮したグリーンな試みは企業にも浸透しつつあります。
しかしですね、この世の中、清く正しいことやヒトばかりで構成されているはずもなく、グリーンに見せかけている(ブラックな⁉)企業も悲しいかな、存在するわけです。もちろん美容業界にもね…
グリーンウォッシングって⁉
環境保護に熱心に取り組んでいると見せかけて実態は違う、っていう状態を「グリーン(=環境に配慮している、高い意識がある)ウォッシング」といいます。ウォッシングは「ホワイトウォッシング」(=漆喰、ごまかす、うわべだけとり繕う)に由来します。
「グリーンウォッシング」は主に企業の㏚や広報、広告などの企業の活動について使われることが多いようです。美容業界ではこのグリーンウォッシングが話題になることが多いのです。
今では当たり前のように企業のウェブサイトや会社案内に青々と茂った木々やお花畑など自然を感じさせるイメージ写真が使って「環境にやさしい」アピールをすることはグリーンウォッシングです。
環境にやさしい活動をアピールしているのに、実は環境に悪影響を及ぼす企業活動を隠していたなんていうのもそうですね。エコでクリーンなイメージの商品を購入したけれど、実は環境破壊につながっていた、なんて悲しいこともあるわけです。
グリーンなスキンケアの見分け方
ビューティー&ウェルネスの業界ではグリーンを謳う企業が数えきれないほどあります。グリーンウォッシング企業と呼ばれないためにはどうしたらいいのでしょうか?
イギリスのFuterra社が中心となって書かれた”Understanding and Preventing Greenwash: A Business Guide“にグリーンウォッシングの定義、見分け方、グリーンウォッシングと呼ばれないための方法が掲載されています。
Understanding and Preventing Greenwash: A Business Guide
グリーンウォッシングと呼ばれないために
1.フワっとした印象、明確な意図のない言葉を使わない
エコフレンドリーなど…
2.商品はグリーンだけど企業としてはブラックだ
エコな電球をつくるために水質汚染となる生産方法を採用しているなど…
3.誤解をまねく暗示的なイメージや画像を使わない
黒い煙の代わりに煙突から花がとびだしている写真や絵など
4.的外れな主張をしない
ごくごく小さく限られた環境活動をむやみやたらと強調・誇張する
5.「自社が最高レベル!」と言わない
グリーンとは無縁の産業なのに同業社と比較して、ほんの少しの活動を「業界最高レベル!」などと誇張しない
6.論理性に欠ける主張はしない
「環境にやさしいタバコ」…そんなものがあるの…⁉危険なモノはどう転んでもグリーンにはなりません!
7.ジャーゴン(専門用語)は使わない
専門家だけが理解できるややこしい言葉や情報でごまかさない
8.想像上の受賞歴は無意味
第三者から与えられた認証に見せかけて、実は業界や企業によって意図的につくられた受賞システムだということもある
9.根拠がない情報は使わない
正しいのかもしれないけれど、根拠や証拠がないと信頼を失う
10.あからさまなウソはつかない
誰が見てもウソとわかる情報やデータは使わない
グリーンスキンケアのパラドクス
美容業界でベージュのパッケージや植物のデザインを施しただけで消費者はもはや「グリーンだ」とは考えなくなっています。私たちは情報の波に巻き込まれながら日々懐疑的になっていきます。
不審に感じることは臆せず質問し、証拠を求め、適格な回答であるかを検証する時代、ごまかしは通用しなくなっています。
化粧品にも使われるパーム油をジャングルを開拓し、オランウータンが生息する環境を破壊し、労働虐待や人身売買などの人権侵害の問題を含んでいるといわれ、パーム油を使わないというブランドもあれば、使いつづける企業もあるでしょう。
そんな事実は隠しきれないほどこの世の中にあふれています。だからこそ、真実を伝えることが大きな価値を持つ時代なのかもしれません。
グリーンスキンケアの行き先
プラスティック製のパッケージを廃止し、リサイクルやリフィル可能、生分解性のあるものに替えるだけで、中身がグリーンではない製品が真のグリーンビューティーと主張できるでしょうか?
グリーンビューティーブランドは本当のグリーンを深く深く探っていく必要があり、顧客とのコミュニケーションを通して、透明性と正直さをわかってもらう努力を続けなければならないようです。
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